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台風被災地を慰問した銀次の次なる約束
「首位打者になって帰ってきたい」
銀次のロングティーの打球を目で追う子どもたち。笑顔と歓声が広がった
銀次のロングティーの打球を目で追う子どもたち。笑顔と歓声が広がった【写真:BBM】

 2016年8月下旬に東北地方、北海道を襲った台風10号。東北楽天・銀次の故郷である岩手県下閉伊郡普代村に隣接する岩泉町は深刻な水害に見舞われた。被害の一報を受けると、銀次はシーズン中にもかかわらず現地に駆けつけ町民たちを慰問。それから約3カ月後の12月某日、銀次の姿は再びこの地にあった。

台風10号の爪跡残る岩泉球場

楽天イーグルス岩泉球場の看板は倒壊したまま。水害のすさまじさを表していた
楽天イーグルス岩泉球場の看板は倒壊したまま。水害のすさまじさを表していた【写真:BBM】

 盛岡駅から太平洋側へ向かって車を走らせることおよそ2時間。岩泉町へ向かう全82キロの行程のうち、ほとんどが峠道だ。のどかな風景と澄んだ空気は都会の喧騒を忘れさせてくれるが、目的地に近づくにつれ、徐々に悪路が増えていく。いたるところで道路工事が行われ、片側交互通行は当たり前の光景となる。8月末にこの町を襲った台風10号の爪跡は、季節が秋、冬と変わってもなお、生々しく残っていた。


 岩泉町の一大観光スポットである龍泉洞から注がれる小本川は、すっかり穏やかな流れを取り戻していた。ほんの数カ月前に氾濫したとは思えなかったが、川沿いに積み上げられたがれきの山や流木が現実を物語っていた。住民にとっては、まさに悪夢の出来事だったに違いない。「8月に台風の被害に遭ったとき、プロ野球のシーズン中にもかかわらず、銀次さんは真っ先にこの町に駆けつけてくれたんです」。この町に住む男性は、当時のことを思い出しながら目頭を熱くしていた。


 数日前に同僚・嶋基宏とともに楽天イーグルス岩泉球場を視察したという銀次は、声を沈めてこうつぶやいた。


「当時と何も変わっていなかった。ショックです」


 無理もない。住民の生活が第一であり、球場の復旧が後回しになるのは仕方のないことだった。それでも銀次は「1日でも早くあの球場で野球ができるようにしてあげたい」とかみ締めるように言った。

週刊ベースボールONLINE

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