「勘違い」から脱し、急成長した東福岡 屈指のタレントで選手権連覇に挑む
年代屈指のタレントを誇る東福岡
赤い彗星・東福岡は同校史上2度目となる選手権連覇に挑む 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
昨年度は志波芳則総監督から春先に「お休みの年のチーム」と評されるなど期待値は低かった。しかし、謙虚な姿勢で日々のトレーニングにまい進することでチーム力が向上。2014年の全国高校総体(インターハイ)優勝を経験したキャプテンの中村健人(明治大)や世代別日本代表経験を持つ守護神の脇野敦至(国士舘大)を中心に、組織力と反骨精神を武器にインターハイと選手権の夏冬2冠を成し遂げた。
それだけに、新チームへの期待は必然的に高まった。特に前回大会の選手権で2年生ながら活躍を見せたDF小田逸稀やMF藤川虎太朗、同じくMFの鍬先祐弥ら昨年のレギュラー格が半数残ったこともあり、タレント力はこの年代屈指と言える。
高い目標とは裏腹に難航したチーム作り
森重監督は「選手たちは何か勘違いしている」と不調の原因を分析していた(写真は昨年のもの) 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
「(選手権で)優勝した週に九州新人戦が始まりました。そこから、何とか新人戦で優勝することができました。昨年は3位に終わったので、それを超えられたことは良かったと思いますが、チームとしてやらなければいけないことがはっきりしなくて、手こずった部分がありました」と藤川が振り返ったようにゲーム内容は低調で、3月頭に行ったBチームとの紅白戦ではまさかの敗北を喫した。
チームとしての成熟度が問われる中、森重潤也監督は「選手たちはふわっとしていて、悪いモノが付いているように感じます。今は何もしなくても注目される立場にあるけれど、それは実力で注目されているわけではない。去年の3年生が注目されているだけだと思いますが、選手たちは何か勘違いしている」と不調の原因を分析していた。
とはいえ、立ち上がったばかりのチームである。「去年の今頃もまだ力はなかった」と志波総監督が話すように、最初から完成された集団になるわけではない。自らの現在地を理解した上で、昨年同様の力強さを身に付けていけば問題はなかったように思えた。