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逆転優勝の宇野「練習の成果を出せた」
無良は「今までで一番悔しい表彰台」
全日本選手権の表彰台に上った(左から)田中、宇野、無良
全日本選手権の表彰台に上った(左から)田中、宇野、無良【坂本清】

 フィギュアスケートの全日本選手権が24日、大阪の東和薬品RACTABドームで行われ、男子シングルでは、宇野昌磨(中京大)がフリースケーティング(FS)192.36点、合計280.41点で初優勝。ショートプログラム(SP)2位から逆転した。2位は田中刑事(倉敷芸術科学大)でFS163.70点、合計249.38点。全日本で初の表彰台に上った。SP首位の無良崇人(洋菓子のヒロタ)はFS151.77点、合計242.11点で3位。ジャンプのミスが響き、直前に滑った田中の得点を上回ることができなかった。


 2位に31.03点差をつける圧勝で、宇野が全日本を制した。冒頭の4回転フリップ、4回転トゥループでそれぞれミス。後半はコンビネーションジャンプを跳びきれない場面があるも、すぐに別のジャンプとの組み合わせでリカバリーするなど、苦しいスタートの中でも地力をしっかりと発揮。羽生結弦(ANA)がインフルエンザで欠場した大会で、しっかりと表彰台の頂点に立った。


 2位の田中は冒頭の4回転サルコウを着氷させるも、4回転予定のトゥループは3回転に。ジャンプのミスが出たものの転倒はなく、ステップでは観客の手拍子が後押し。後半のジャンプはなんとかこらえた。SP首位の無良のスコアを上回った。


 SP首位で初優勝の期待がかかった無良は、冒頭の4回転2本を着氷させるなど好スタートを切ったが、後半のジャンプでミスが出てしまった。


 以下、宇野、田中、無良のメダリスト会見でのコメント。

宇野、涙の理由は「練習が無駄でなかった」から

後半のコンビネーションが入れられ「練習が無駄でなかったと証明できた」と話す宇野
後半のコンビネーションが入れられ「練習が無駄でなかったと証明できた」と話す宇野【坂本清】

――メダリストになった感想は?


宇野 今大会はショート、フリー共にあまり良い演技ではなかったのは事実です。ショートは本当に悪くて、フリーに関しても前半はジャンプのミスがあってあまり良くなかったのですが、それでも後半にコンビネーションを入れることができました。ファイナルが終わってからやってきた練習の成果を出せたと思うので、自分でもうれしかったです。


田中 今回は2位になれてすごくうれしいんですけど、自分の演技があまり良くなかったので、うれしさと悔しさが入り混じったような心境です。


無良 今までに12回、全日本に出ていますが、これまでで一番悔しい表彰台の乗り方だなというのが今の心境ですね。


――宇野選手に。演技後の涙が印象的だったが、その理由は?


宇野 今回はショートで、練習してきたコンビネーションを失敗してしまい、それをフリーの日の公式練習でも引きずってしまいました。すごい悔しくて、フリーでも前半のコンビネーションを失敗してしまったんですけど、後半のアクセル+フリップ、サルコウ+トウを組み込めたことは、ファイナルが終わってからひたすら練習していたことが無駄ではなかったということが証明できて、すごいうれしかったのが理由です。


――最後のサルコウ+トウのときに樋口(美穂子)先生から「行け!」という声が聞こえたという話だが?


宇野 自分は3回転サルコウで終わるつもりだったんです。あまり自信がなくて、スピードもつかなかったので。でも跳ぶ前に先生が少し視界に入って、サルコウを降りたときに先生の声が聞こえて、「跳ばなければ」ととっさに跳んだジャンプが良くて、やってよかったなと思いました。

2位の田中は「悔しさが浮き上がってくる感じ」

2位に入った田中だが「まだまだやることはたくさんある」とコメント
2位に入った田中だが「まだまだやることはたくさんある」とコメント【坂本清】

――田中選手に。代表選手になる自信や表彰台に乗る自信はどれだけあったのか?


田中 今回、代表選考は懸かっていましたけど、そういうことはあまり考えず、できることをやろうという気持ちで試合に臨んでいました。できたこともあるし、できなかったこともあるので、すごい複雑な気持ちです。今回は2位という結果だったので、今後はそれにふさわしい選手に成長していかないといけないと思っています。まだまだやることはたくさんあります。


――宇野選手に。4回転ループや4回転サルコウの練習をやっていたが、今後やる可能性は? また今後増やしていく必要性をどれくらい感じているか?


宇野 今の2種類では世界で戦っていけないと思っていて、その2種類でさえショートとフリーでノーミスすることが難しい状況なので、そんなことを練習している場合ではないかもしれないんですけど、それでも練習していかなければいけないほど、世界のトップ選手はジャンプの種類を増やして、難易度を上げています。ループに関しては毎日跳んでいても練習では跳べなくなるときもあるし、サルコウに関してはまれに跳ぶこともありますが、サルコウの可能性は低いと思います。今後は調子が良いときにループを入れていけたらいいなと思っています。


――田中選手に。表彰台から見た風景はどう見えましたか?


田中 実際に表彰台に立っても、今大会の自分の演技でできなかったことが浮かんでくるので、悔しさというのが浮き上がってくる感じです。


――宇野選手に。樋口先生が「これまでずっと追う立場だったのに、今回は追われる立場になった」と言っていたが、宇野選手の気持ちはどうだったのか?


宇野 自分ではショート、フリー共にあまりプレッシャーは感じていませんでした。ショートのときはコンディションも良くて、気持ちも高まっていたんですけど、それでも失敗してしまいました。良かった状態での失敗で少し自信をなくす結果になりました。それが自分では感じていないと思っていたプレッシャーだったのかは分かりません。自分でもプレッシャーがかかっていたのかは分からない状態です。

羽生不在の全日本に無良「不思議な感覚」

羽生不在の全日本に無良は「不思議な感覚で試合を進めていた感じ」と話す
羽生不在の全日本に無良は「不思議な感覚で試合を進めていた感じ」と話す【坂本清】

――3選手に質問。羽生選手不在の影響はどれくらいあったのか?


宇野 日本は本当にレベルが高い国で、こうして1位になれたことがすごいうれしいですし、またショート、フリー共に満足いく演技ができなかったのは、全日本という大きな舞台のプレッシャーかどうかは分からないですが、それでもレベルの高いメンバーの中で優勝できたことがうれしいです。


田中 ユヅルがいない全日本は不思議な感じでした。これからは世界の舞台で肩を並べて戦えるように頑張りたいと思います。


無良 いて当たり前の存在だったので、試合の空気感として不思議な感覚で試合を進めていた感じがします。また強化選手の半分が今回は出ていなかったので、不思議な感覚に拍車をかけていたと思います。

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