【大日本プロレス】小林が星野を破り4度目の戴冠 関本が憧れの小橋の技で王座返り咲き

高木裕美

アブ小が王者・星野勘九郎を破りBJW認定デスマッチヘビー王座4度目の戴冠 【写真:前島康人】

 18日の大日本プロレス「BIG JAPAN DEATH VEGAS」神奈川・横浜文化体育館大会では、2大タイトルマッチなどが行われ、1981人を動員した。

「蛍光灯ダブルGショックデスマッチ」として行われた、メインイベントのBJW認定デスマッチヘビー級選手権試合では、アブドーラ・小林が、王者・星野勘九郎を破り4度目の戴冠を果たした。

苦労人同士の対決はデスマッチアイテム飛び交う大流血戦

蛍光灯、コンクリートブロックが乱れ散るリング上で大激戦となった 【写真:前島康人】

 星野は7.24両国国技館大会で、デビュー13年にして至宝を初戴冠。以来、5カ月間に渡って3度の防衛に成功してきた。一方、小林もかつてデビュー11年にして初めてベルトを戴冠。互いに苦労人同士の戦いは、蛍光灯、ラダー、イス、コンクリートブロックなどのデスマッチアイテムが飛び交う、大流血戦となった。

 開始と同時に蛍光灯がカチ割られ、コンクリートブロックが砕け散り、リング上は早くも地獄絵図に変化。そこへ星野が小林を雪崩式ブレーンバスターで投げつけると、さらに鉄製階段の上に蛍光灯を重ねた、高さ1メートルの巨大オブジェめがけて勘九郎カッター。さらに鉄製階段を上に載せてのダイビングセントーンでは、技を放った星野自身も大ダメージを受ける。

 小林も20本以上の蛍光灯をまとめて星野に投げつけ、スリングブレイド、「イヤァオ!」からのボマイェという新日本ムーブ。鉄製階段の上にバックドロップで投げ、コーナーからのダイビングバカチンガーエルボーを突き刺すと、すでに意識もうろうとした星野を逆エビ固めでギブアップさせた。

 敗れた星野は、「小林さんへの敗戦を糧にして、もう1回あなたに挑戦します」とリベンジ宣言。新王者となった小林は、「守るだけじゃなく、どんどん攻めて、大日本をもっともっと大きくしたい。皆さんに夢の世界、愛の世界を見せることを約束します」と、団体のさらなる発展を誓った。

関本が1年半ぶりのストロング王者に

関本が神谷を破り、1年半ぶりのストロング王者に 【写真:前島康人】

 セミファイナルのBJW認定世界ストロングヘビー級選手権試合では、関本大介が神谷英慶に完勝。約1年半ぶりに王座へ返り咲いた。

 神谷はかつて関本とタッグを結成。7月の両国で初戴冠して以来、2度の防衛に成功していた。一方、関本は岡林裕二と共に今年のプロレス大賞最優秀タッグ賞を受賞するなど、団体の枠を超えた活躍を見せてきた。

 関本は序盤からパワーの差を見せ付けると、神谷も雪崩式ブレーンバスター、頭突き、延髄斬り、ショートレンジラリアットから必殺技のバックドロップを狙うも、関本は体を浴びせて阻止。ロープをつかんでこらえる神谷を強引にぶっこぬきジャーマンスープレックスでブン投げ、ラリアット、アルゼンチンバックブリーカーからのバーニングハンマーでトドメをさした。

「危なかったけど、バックドロップだけは食らわないように細心の注意を払った。また神谷とはやりたい」と、笑顔を見せた関本は、フィニッシュのバーニングハンマーについて「小橋さんが大好きで、ずっと憧れていた。やっとこの技にたどり着いた」と、小橋建太さんの必殺技を引用したことを明かし、新チャンピオンとして築き上げる新たなストロングヘビーの世界へと自信をみなぎらせた。

野村は意地を見せるもタッグ王座獲得できず

 現BJWタッグ王者である佐藤耕平&石川修司のツンタワーズは、鈴木秀樹&野村卓矢組に快勝した。

 新人の野村が2人の巨人のエルボー、ヒザ蹴りにボコボコにされながらも奮闘し、鈴木も佐藤に卍固め、石川をジャーマンスープレックスで投げるなど勝機を作り出すも、ツインタワーズは野村に連係のヒザ蹴り、合体ニーリフトを放つと、佐藤がランニングエルボー、ファルコンアローからのパイルドライバーで完勝。

 試合後、石川が健闘をたたえ、野村に向かって右手を差し出すも、野村はこれをはねのけ、意地を見せた。

ヤンキー二丁拳銃が鉄檻デスマッチを制す

「鉄檻蛍光灯タッグデスマッチ」では、宮本裕向&木高イサミのヤンキー二丁拳銃が、伊東竜二&佐久田俊行組と対戦。

 リングの隅に設置された高さ約2メートルの鉄檻が圧倒的な存在感を見せ付ける中、身長155センチの佐久田が顔面から大流血を負いながらも、負けん気の強さを発揮。伊東のアシストを受け、宮本とイサミを鉄檻に押し込めることに成功すると、さらに鉄檻の上からイサミを雪崩式フタンケンシュタイナーでマットに叩きつけ、度胸の良さを見せる。

 しかし、直後に宮本が雪崩式ブレーンバスターを食らわせ、宮本のファイヤーサンダー、イサミのダイビングダブルニーアタックから、宮本が鉄檻の上からのムーンサルトプレスで圧殺。敗れた佐久田だが、デスマッチファイター1年目とは思えない戦いぶりに、大きな拍手が贈られた。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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