2017年に飛躍するのは誰だ!? プロ野球ネクストブレーク候補図鑑

ベースボール・タイムズ
 2016年も残り数週間。慌ただしいオフシーズンを過ごす中、プロ野球界の話題はすでに来季へと向けられている。そこで、チームの勝敗とともに注目したいのが「誰がブレークするのか」ということ。“神ってる”鈴木誠也(広島)の次にスターダムにのし上がるのは一体、誰だ?セ・パ両リーグを投打別に分けて「ブレーク候補者」たちを紹介したい。

黒田なき広島を若きサウスポーが救う

左腕から150キロ超の快速球を投げ込む広島・塹江。その成長ぶりに注目だ 【写真は共同】

 まずはセ・リーグの投手陣。今季は野村祐輔(広島)が昨季の5勝から一気に16勝へと勝ち星を伸ばして最多勝に輝いたほか、田口麗斗(巨人)と岩貞祐太(阪神)が10勝&防御率2点台をマークしてブレーク。2年目の石田健大(横浜DeNA)が9勝、同じDeNAでルーキーの今永昇太は規定投球回には到達しなかったものの、8勝&防御率2.93と結果を残した。

 彼らに続く投手は出て来るのか。連覇を狙う広島で期待したいのが、来季高卒3年目となる塹江敦哉だ。入団当初は「ほりえ」という名字の読み方に注目が集まったが、左腕から繰り出される最速153キロの直球は誰もがほれ込む存在。

 今年9月11日の1軍デビュー戦(巨人戦=東京ドーム)では、打者7人で1死を奪ったのみの4安打6失点と洗礼を受けたが、3度目の登板でプロ初先発となった同19日(DeNA戦=横浜スタジアム)では5回2安打2失点と試合をつくった。黒田博樹が引退した後の救世主として、来年2月に20歳を迎える男の成長から目が離せない。

 “超変革”半ばの金本阪神には、期待のホープ・望月惇志がいる。ドラフト4位入団からファームでじっくりと体をつくり、それとともに球速も大幅アップ。1軍ではシーズン最終戦での救援登板1試合のみに終わるも、ファームでは14試合に登板し、投げる度に成長の跡を見せた。来季の開幕1軍、さらには先発ローテ入りが期待される。

 その他にも、即戦力の新人として前評判の高いドラフト1位右腕・柳裕也(明治大→中日)にも注目。不調時にも試合をつくる能力があり、安定感は抜群。大学でエース兼主将を務めたパーソナリティーは、プロの世界でも必ず生きてくるはずだ。

岡本、吉川尚は巨人をV奪回へ導くか

巨人・岡本はネクストブレーク筆頭候補。持っているポテンシャルを発揮し、チームのV奪回の原動力となりたい 【写真は共同】

 セ・リーグの野手陣では今季、鈴木が大ブレークを果たしたほか、高山俊(阪神)が期待通りに新人王に輝き、オールスター出場も果たした原口文仁(阪神)や正捕手に抜てきされた戸柱恭孝(DeNA)らが新たに主力としての地位を確立した。

 そして新たなスター候補としては、岡本和真(巨人)の名前が挙がる。智弁学園高からドラフト1位でプロ入りし、2年目の今季は2軍で96試合に出場し、18本塁打(リーグ2位)、74打点(同トップ)をマーク。今夏のフレッシュオールスターでMVPに輝くと、10月のファーム選手権でもソロ本塁打を含む2安打3打点の活躍で再びMVPを受賞。1軍ではわずか3試合出場に終わるも、今がまさに伸び盛りの大砲だ。

 また、巨人には新たなドラフト1位ルーキーで、来季の「1番・セカンド」の座を狙う吉川尚輝(中京学院大→巨人)もいる。未知数な部分もあるが、巨人のV奪回のためには新スターの登場が必要なことだけは確か。その資格はある。

 もう一人、注目のスラッガーが、昨オフにソフトバンクの育成契約辞退からトライアウトを経てDeNAに入った白根尚貴だ。今季は2軍で120試合に出場し、リーグ1位の118安打を放ち、10本塁打、58打点をマークした。だが、1軍では3試合で4打数ノーヒット。開星高時代に「ジャイアン」と呼ばれた男のスリムになった雄姿を、来季はもっと多くのファンに見せてもらいたい。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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