来春の桜花賞と同じ阪神マイルで行われる阪神ジュべナイルフィリーズ。今年は、前哨戦のファンタジーＳを勝ったミスエルテが次週の朝日杯へ回ることになったが、それでも牡馬相手の重賞勝ち馬や無敗馬が揃ってのハイレベルな戦いが予想される。不確定要素も多い中で、優馬ＴＭ（トラックマン）陣はいかなるジャッジを下すのか。

デスク「今年の２歳牝馬戦線では、ともに２戦２勝のフランケル産駒２頭が注目を集めているが、そのうちの１頭、ミスエルテが来週の朝日杯へ回ったことで、ここはソウルスターリングに人気も集中しそうだな」

那谷「有力馬のほとんどが初対決となるわけで、比較は結構難しい作業なんだけど、勝ったレースと同じ週に行われた古馬戦の時計を比べると、重賞であっても古馬１０００万レベルかそれ以下と言えるものもある中で、ソウルスターリングのアイビーＳは古馬準オープン級と遜色がないんだ。父フランケルのみならず、母スタセリタもＧIを６勝していて、日本で走っているのが不思議なくらいの世界的良血なんだけど、母がフランスでＧIを３連勝した時の鞍上がルメール騎手なんだよ。そういう因縁みたいなものを抜きにしても、ここでもモノの違いを見せてくれると思うぞ」

菅「今回の有力馬の中では唯一、前走と同じジョッキーが乗るという点も、強調材料になると思いますね」

田崎「初戦の札幌から、２戦目が広い東京コースに替わって、レースぶりがグンと良化しましたし、マイルに距離が短縮されるのも、むしろ歓迎でしょう。あとは長距離輸送を無事にクリアできれば、揺るぎのない軸馬と見ていいはずです」

馬場「輸送に関して、陣営は“北海道への輸送も経験しているので大きな心配はない”とのことです。前走なども、ラストは遊び遊びであの勝ちっぷりですから、能力は底知れないと言えますね」

デスク「ただ、今回は２戦以上している無敗馬があと２頭いるんだよな」

大江原「中でも、メンバー唯一の３勝を挙げているジューヌエコールの支持者が少ないのは納得しかねるぞ。一戦ごとに馬体を増やしての３連勝で成長力を示しているし、好位で運べてしっかりと末脚を使える安定したレースぶりにも好感が持てるよな」

細川「３戦とも２着をちぎって勝っていないという点で、額面通りの評価を受けていない気もしますが、きっちり勝ち切る勝負強さは魅力でしょう。安田隆厩舎からは、安田翔助手、高柳助手と、先日の調教師試験合格者が２人も出ましたからね。その厩舎のいい流れでＧIも、という可能性は十分にあると思います」

加茂「もう１頭の無敗馬、ヴゼットジョリーかて軽く扱われ過ぎや。これまで乗った騎手のみならず稽古で跨いだ助手も含めて全員が絶賛する乗り味の良さで、追い切りに跨いだ和田騎手も“癖がなくて乗りやすい。いい馬ですね”と褒めてましたわ。３ヶ月ぶりでぶっつけとなる点も、“予定通りのメニューを消化できたし、仕上りに不安はない”んやったら、割り引く必要もないやろ」