心臓手術の初代タイガーが復帰戦白星
レジェンド王座は大谷晋二郎が初防衛

1年8カ月ぶりの復帰戦で白星

狭心症と心臓手術の影響で欠場していた初代タイガーマスクが1年8カ月ぶりのリング復帰
狭心症と心臓手術の影響で欠場していた初代タイガーマスクが1年8カ月ぶりのリング復帰【スポーツナビ】

 昨年3月以来、狭心症と心臓手術の影響で欠場していた初代タイガーマスクが7日、リアルジャパンプロレス「GOLDEN AGE OF THE TIGER 〜初代タイガーマスク35周年記念大会〜」(東京・後楽園ホール)で1年8カ月ぶりのリング復帰を果たした。


 デビューから35周年となった今年、そのメモリアルイヤーを締めくくる大会の第3試合に初代タイガーは登場。スーパー・ライダー、折原昌夫とタッグを結成し、雷神矢口&アレクサンダー大塚&田中稔組と対戦した。


 先発こそライダーに譲ったタイガーだが、2番手としてリングに入ると田中をテイクダウンし、デビュー当時のようにスピニング・レッグロックを決めていく。リング登場時から挑発を見せた矢口に相手が代わると場外戦へ持ち込まれるが、矢口のバットにミドルキックで応戦。


 試合中盤では大塚にローとハイを見舞い、ヒザ十字でロープエスケープを奪うなど、タイガーは変わらぬ「立ってよし・寝てよし」なファイトを見せる。そして最後は矢口が有刺鉄線バットを振り下ろそうとしたところへカウンターのローリング・ソバットを決め、矢口が有刺鉄線バットでガードしようとしたもののそのままハイキックを叩き込み、自ら3カウントを奪って復帰戦を勝利で飾った。


 試合後、報道陣に囲まれたタイガーは「パートナーがよかったので助かりました」と安堵の表情。「練習も動けていたし、この状態なら行けそうです」と2017年からの戦いにも手応えを感じていたようだった。


 なお試合後、矢口から大仁田厚との電流爆破マッチ実現のアピールがあったが、タイガーはこれに対し「いろいろ考えたい」と答え、復帰戦快勝の後であったが慎重な態度を崩さなかった。

安達有里さん、加護亜依さんらが祝いに駆けつける

初代タイガーの35周年を祝うため、さまざまな著名人が会場に駆けつけた
初代タイガーの35周年を祝うため、さまざまな著名人が会場に駆けつけた【スポーツナビ】

 大会中盤には、デビュー35周年となった初代タイガーを祝うセレモニーも行われた。


 1年8カ月ぶりの復帰戦で雷神矢口をハイキックで沈めたタイガーは、「35年前“アイドル”と呼ばれ、僕は『俺はアイドルではなく格闘家だ』と、(アイドルと呼ばれることを)よく思っていませんでした。でも、35年経ってもこんなに愛してもらえるタイガーマスクはスーパーアイドルです。いつも自分に何ができるか、どんなお返しができるか、そんな使命感でリングに立っています。これからもみなさんのお役に立ちたいと思います」とファンに感謝を告げた。


 式典にはかつてのライバル、初代ブラックタイガー(マーク・ロコ)も駆けつけ、「世界最高の会場、後楽園ホールに戻ってこられて嬉しい。ここで何度も戦いました。忘れていません。みなさんレスリングを愛してください。私も愛しています。これからもレスリングを愛し、見続けてください」とあいさつをし、場内の歓声を集めた。


 また、式典では中野浩一さん、安達有里さん、山田邦子さん、加護亜依さんといった著名人に加わり、蔵前国技館のデビュー戦でタイガーに花束を贈った女性が35年ぶりに再び花束を贈呈。神妙な面持ちで式典に臨んでいたタイガーだったが、これには驚き、喜びを隠さなかった。

大谷「俺にケガを負わせやがって」

メーンでは大谷が額を割りながらも、レジェンド王座を防衛
メーンでは大谷が額を割りながらも、レジェンド王座を防衛【スポーツナビ】

 この日のメーンイベントでは、第11代レジェンド王者となった大谷晋二郎が、“グラップリング・マイスター”タカ・クノウを相手に初防衛戦を行った。


 RJPWが掲げるストロングスタイルを意識したか黒のショートパンツで登場した大谷。試合序盤は、アキレスけん固め、ヒザ十字と次々繰り出されるタカの関節技に苦戦を余儀なくされる。さらに寝技師でありながら自ら場外戦へ持ち込むといった意外な展開を見せるタカに、大谷はなかなか自分のリズムを作れない。


 しかしタカはタイトルの懸かった大勝負に合わせたか、トップロープに跳び乗り空中殺法を仕掛けるも失敗して不発。動揺するタカをリング中央に呼び寄せた大谷は、激しく張り手を見舞い、タカもこれにエルボーで応戦したが、大谷が気迫の頭突きを見舞うと鈍い音とともに自身の額が割れ、大谷の顔は鮮血に染まる。


“赤鬼”のようになった大谷の袈裟斬りチョップ2発、そしてミサイルキックから繋いだジャーマンを食らったタカは、野生が覚醒したかのように吠えながら跳ね返したが、続いて攻め手を緩めない大谷が放ったドラゴンスープレックスを受け万事休す。ロープに跳び乗ろうとするも足を滑らすなどダメージを感じさせた大谷だったが、血染めの初防衛を成し遂げた。


「リアルジャパン、面白いじゃねぇか。毎大会、俺にケガを負わせやがって。でもこうなったら、ベルトと根競べだ。それでも放さねぇからな。それがプロレスのチャンピオンだ」


 バックステージへ戻っても“大谷節”は止まらない。


「(空中殺法で)落ちたのは何も責めない。落ちた後からがプロレスだ。落ちた後で萎縮するか、それともチクショーと思って向かってくるのか。あいつは後者だった。不格好なエルボーで、不格好だったけどムチャクチャ効いた。想像を超越した“ここ”(胸を叩いて)を持っていた」


 そう語り、戦いを経てタカを認め通じるところがあったのか、今後のチーム結成の可能性も大谷は示唆した。


「綺麗じゃない、不格好だけど負けたくない、僕がやりたいプロレスがここにあったと思う。まだベルトが僕から離れたくないと言っている」


 船木との死闘を制し、タカとの防衛戦も血闘となったが、大谷はレジェンド王者のままでの年越しが決定。来年も過酷な防衛ロードが待っている。

長谷川亮

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

スポナビDo

イベント・大会一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント