オコエ、青柳らの課題吸収力に注目! 江尻慎太郎氏の台湾ウインターL見どころ
今季4勝の青柳が参加する理由は?
今季4勝を挙げた阪神・青柳。ウインターリーグで課題を揉み、さらなる飛躍を期す 【写真は共同】
「青柳(晃洋=阪神)投手は一軍で結果を出しているのに、参加するのはなるほどなと思いましたね」
帝京大からドラフト5位で入団した青柳は、シーズン中盤から先発ローテーション入りし4勝をマーク。横手投げと下手投げの中間で自ら「クオータースロー」と命名する変則フォームを武器に、打者を抑えてきた。一方で、68回1/3で40与四球とコントロールにやや不安を残したところに、今回ウエスタン選抜の一員として参加する理由がありそうだ。
「コントロールに不安があるところを彼がどう感じていくのかですよね。防御率を見ると3.29というのは悪い数字ではないですよ。でも、これを作り出しているのは実は四球というのが相当絡んでいるはずなので。ここを彼がどう反省して、どう取り組みをしていくかですよね」
では、課題を解決する具体的な手立てはどのように考えたら良いのか。江尻氏は自分自身について認識することが大事だと説く。
「四球といっても、なんで出したのかは本人しかわからない。例えばある球種を投げるとボールになりやすいのか、どういうタイプのバッターで四球を出しているのか、などを突き詰めてしらみつぶしにしていくと、自分の不得意なところが出てきますよね。不得意なところを理解することがすごく大事です。克服することはすぐにできるわけではないですが、それが分かればキャッチャーに不得意なところを伝えておいて、キャッチャーもこのタイプのバッターは苦手だから、最悪のケースを想像しておこうと組み立てることができますよね。それがより良いピッチングにつながるわけです」
課題を見つけるには試合が一番
スポナビライブ・ウインターリーグ中継の解説を務める江尻慎太郎氏 【写真提供:スポーツライブエンターテインメント株式会社】
「課題を見つけるのは試合でしかないと僕は思っているので、当然試合経験を積むことはとても大事ですよね。例えばピッチャーでいうと、ブルペンで出てきた課題を試合に当てはめるのは難しい。ブルペンで出てきた課題か試合で出てきた課題か、それを整理していくのは難しいですけど、すごく重要な作業なので。その整理ができないうちは試合経験をたくさん積んで、課題をここで吸収した方がいいと思います」
これは参加しているすべての選手に言えることだろう。オコエや青柳以外にも平沢大河(千葉ロッテ)、吉田正尚(オリックス)、原樹理(ヤクルト)など、多くの若手有望株が参加するウインターリーグ。他の者がオフで休んでいる間に実戦の機会を与えられ、対戦するほとんどの相手が外国人。その中で課題を見つけ、自分に合った形で吸収していく。そうして未来のスターの礎が築かれていくのだ。
(取材・文:加賀一輝/スポーツナビ)
◆2016アジアウインターベースボールリーグ
【放送日】〜12月18日(日)連日ライブ中継
阪神・青柳、ロッテ・平沢ら注目の若手が出場中