大谷は投手一本で行くべし!! 立浪和義氏が語るWBCでの起用法

週刊ベースボールONLINE

オランダ相手に大量失点した投手陣

11月13日のオランダ戦で“天井打”を放った大谷。そのバッティングは確かに魅力的だが…… 【写真=BBM】

 2017年の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、メキシコ、オランダを迎え、東京ドームで強化試合が行われました。メンバー発表前の最後の実戦ですが、小久保裕紀監督もさまざまな作戦、人選を試していました。前回大会までは、このようなチャンスがありませんでしたし、非常に意味のある4試合だったと思います。

 11月10日にはWBC第1ラウンドの日程・組み合わせも発表されましたが、初戦の相手はキューバ。しかも比較的ホームランの出やすい東京ドームが舞台となると、やはり一発を食らう可能性も高くなります。そういう意味では、今回失点が多かったピッチャー陣には、正直、大きな不安を感じました。オランダの打線が仮想キューバに近いと思っていましたが、勝ちはしたものの、第1試合が8失点、第2試合は10失点ですからね。キューバの投手陣はオランダより上と思いますので、このままでは非常に厳しい戦いになります。

 ただ、投手陣に関しては、これから前田健太(ドジャース)、田中将大(ヤンキース)らメジャーの選手が出る出ないで、まったく違った展開になります。代表チームの関係者も、もちろん動いているのでしょうが、これは選手個人の意思だけでなく、所属チームの方針もあります。現状ではメジャー選手ゼロという最悪のケースも想定しなければならないと思います。

ここぞという場面ではやはり大谷

 そうなると、やはり投手のキーマンは大谷翔平(北海道日本ハム)以外いません。異論もあるかもしれませんが、メジャーからの参加が無理だった場合、今回に関しては、大谷を投手一本で起用したほうがいいと思っています。

 もちろん、今回の強化試合で“打者大谷”は素晴らしい活躍をしました。メジャーの投手相手でもしっかり結果を出してくれるとは思います。ただ、WBCは負けられない戦いが続いていきます。ここぞという試合に、切り札となる先発ピッチャーを起用することは絶対条件です。そうなると現状の日本球界を考えれば、やはり大谷しかいない、と言うしかありません。

 さらに言えば、大谷が打線から抜けても、日本代表には十分な力を持っている素晴らしいバッターがたくさんいます。4番・中田翔(日本ハム)、5番・筒香嘉智(横浜DeNA)でいくようですが、今回の試合を見ていても、長打力に加え、粘り強く相手投手を攻略することができていました。結局、短期決戦は、そのとき状態のいい選手がどれだけいるか、という点に尽きます。そこをしっかり見極めて打線を組み、大谷は投手として負けられない試合に万全の状態でぶつけるのが一番と思いますが、いかがでしょう。

 ただ、それでもあのバッティングを見たら……。小久保監督も頭を悩ますところでしょうね。それにルールも少し心配です。登板の後、打者としての出場に規制がかかる可能性もあるのでしょうか。本当に規格外の選手です。
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