気になる外国人選手の去就は!? 12球団来季の助っ人陣容まとめ

ベースボール・タイムズ

広島:助っ人パワー持続で連覇へ

本塁打を放ちナインに迎えられる広島・エルドレッド。残留を決めた来季もこのようなシーンが多く見られそうだ 【写真は共同】

 25年ぶりのリーグ制覇を果たした広島。来日2年目のジョンソンが先発の軸として沢村賞を獲得する活躍を見せ、ヘーゲンズ、ジャクソンの2人もセットアッパーとして勝利の方程式を確立。エルドレッドも一発長打でチームの勝利に貢献するなど、助っ人勢の働きがなければ、おそらく今季の優勝は不可能だっただろう。

 連覇へ向けても、助っ人勢の働きは非常に重要になる。中継ぎ陣の2人が今季同様の働きをできるか。そして、今季は故障で離脱したエルドレッドがシーズン通してフル回転できるかどうか。現有戦力に満足することなく、不動の4番を任せられる新主砲の獲得も目指してもらいたい。

<来季所属予定選手>
・ジョンソン(26試合15勝7敗、防御率2.15)
・へーゲンズ(50試合7勝5敗19H、防御率2.92)
・ジャクソン(67試合5勝4敗37H、防御率1.71)
・エルドレッド(95試合、打率2割9分4厘、21本塁打、53打点)

巨人:総勢13人の大所帯も……

 来日5年目のマシソンが自身2度目の最優秀中継ぎ投手に輝く活躍を見せたが、それ以外は期待値を下回る数字が並んだ。特に昨季2人で計21勝を挙げたマイコラス&ポレダが、今季はわずか計5勝のみに終わったことが響いた。それ以外にも、キューバの至宝・ガルシアなど有名無名の計13人の外国人選手と契約を交わしたが、結果として得られたものは非常に少なかった。

 ギャレット、クルーズの野手コンビは来季も残留。ギャレットが確実性を上げ、クルーズもけがなくフル回転できれば期待は持てる。ペナント奪回へ向けて、他球団からの“強奪”も取り沙汰されたが、現時点では“空振り”に終わりそう。今後の動向に注目したい。

<来季所属予定選手>
・マイコラス(14試合4勝2敗、防御率2.45)
・マシソン(70試合8勝4敗41H1S、防御率2.36)
・ギャレット(123試合、打率2割5分8厘、24本塁打、68打点)
・クルーズ(81試合、打率2割5分2厘、11本塁打、37打点)

横浜DeNA:ロペス奮闘も余地あり

 球団初のクライマックスシリーズ(CS)進出を果たしたが、外国人選手に関しては不満が残った。ロペスこそ主軸として期待以上の働きを見せたが、補強の目玉だったロマックがまったくの期待外れで、投手陣ではモスコーソが防御率5点台と不安定。ペトリック、ザカースキーもインパクトは残せなかった。

 来季に向けては、ロペスとともに、得点圏打率3割6分5厘と勝負強さを見せたエリアンが残留。新たに投手では今季3Aで14勝を挙げたウィーランドと、世界一に輝いたカブスで16試合に投げたパットンが加入。野手では独立リーグ・石川で打率3割3分2厘、15本塁打のシリアコを獲得した。不満が残った分、戦力上積みの余地があるだけに、助っ人たちの働き次第で優勝争いも可能になる。

<来季所属予定選手>
・モスコーソ(13試合5勝7敗、防御率5.18)
・ペトリック(15試合3勝2敗、防御率5.51)
・ザガースキー(32試合3勝1敗、防御率4.96)
・ロペス(123試合、打率2割6分3厘、34本塁打、95打点)
・エリアン(79試合、打率2割1分8厘、5本塁打、33打点)
・ウィーランド(投手、米マリナーズ3A傘下)※新加入
・パットン(投手、米カブス)※新加入
・シリアコ(内野手、石川ミリオンスターズ)※新加入

阪神:ゴメス退団の判断は吉か凶か

阪神の「4番・サード」候補、キャンベル。長距離砲というよりはアベレージを残すタイプとみられる 【Getty Images】

 超改革元年は、助っ人陣も消化不良だった。ただ、メッセンジャーは運に恵まれなかった面があり、故障離脱が響いたマテオとともに十分に働いたとも言える。問題だったのは、マートンの代役として期待されたヘイグが使い物にならなかったことだろう。

 来季の巻き返しへ向け、191センチ、107キロの巨体から最速159キロの剛球を投じるというメンデス、そして「4番・サード」の候補として、今季メッツで40試合に出場したキャンベルと契約合意。一方で14年の打点王・ゴメスとは契約を延長せず。今シーズンは打率2割5分5厘、22本塁打、79打点だった4番の退団がどう響くか。キャンベルにかかる重圧は大きい。

<来季所属予定選手>
・メッセンジャー(28試合12勝11敗、防御率3.01)
・マテオ(52試合1勝3敗7H20S、防御率1.80)
・メンデス(投手、米レッドソックス傘下3A)※新加入
・キャンベル(内野手、米メッツ)※新加入

東京ヤクルト:ワースト投手陣の再建を

 守護神のオンドルセクが7月末に退団し、バーネット、ロマンと合わせて15年の優勝に貢献したリリーフトリオが全員退団。デイビーズ、ペレスも期待に応えられず、唯一、ルーキが中継ぎでフル回転して及第点の働きを見せた。

 3年契約が今季限りで切れた主砲・バレンティンとも無事に契約を1年延長。デイビーズは保留状態だが、新たな守護神候補として、今季3Aで65試合に登板して3勝3敗、防御率2.77の成績を残したギルメットを獲得。まずは12球団ワーストのチーム防御率4.73の投手陣をどう立て直すか。戦力も限られているだけに、優勝した15年同様に外国人投手の奮闘が上位進出のカギとなる。

<来季所属予定選手>
・ルーキ(69試合6勝6敗、防御率3.06)
・デイビーズ(15試合4勝5敗、防御率4.39)
・バレンティン(132試合、打率2割6分9厘、31本塁打、96打点)
・ギルメット(投手、米タイガース傘下3A)※新加入

中日:ビシエド級大砲を求む

 谷繁元信監督が休養し、チームも最下位に終わった中日。その中で開幕3試合連続本塁打を放ったビシエドが、5月に失速、8月に故障離脱したものの、シーズン22本塁打&68打点でファンを大いに沸かせた。しかし、1勝に終わったネイラーを始め、ハイメ、セプティモらの投手陣が期待はずれ。チーム低迷の要因となった。

 流出危機もあったビシエドとは無事に残留で合意。バルデスとジョーダンの2人は現時点では未定だが、少なくとも今季の成績では満足できない。一定の成績を残したエルナンデスとナニータの野手組はともに退団となり、森繁和新監督が自らドミニカ共和国などで新外国人候補を調査。ビシエドに続く強力助っ人を招き入れ、チームの起爆剤としたい。

<来季所属予定選手>
・バルデス(20試合6勝7敗、防御率3.51)
・ジョーダン(22試合6勝6敗、防御率4.24)
・ビシエド(119試合、打率2割7分4厘、22本塁打、68打点)

(三和直樹/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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