川尻達也、急転直下でグレイシー戦へ
UFC離脱、これからの格闘技人生を語る
RIZINへの電撃参戦を発表し、クロン・グレイシーとの対戦を決めた川尻達也
RIZINへの電撃参戦を発表し、クロン・グレイシーとの対戦を決めた川尻達也【(C)RIZIN FF/Sachiko Hotaka】

 世界最高峰の格闘技団体「UFC」を自らの意思で離脱した川尻達也。その英断からわずかにして、年末の格闘技ビッグイベント「Cygames presents RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント 2nd ROUND/Final ROUND」(12月29日、31日/埼玉・さいたまスーパーアリーナ)への参戦を発表した。


 電撃参戦発表の数日後には、対戦相手が“グレイシー一族の遺伝子を継ぐ者”クロン・グレイシーに決定。自身が望んだ“グレイシー一族”との対戦に、「“シン”グレイシー・ハンターを名乗りたい」と意気込む。


 急転直下で決まった年末のビッグマッチ。今回は川尻自身に、クロン戦への意気込み、UFC離脱の理由、これからの格闘人生などについて聞いた。

“グレイシー”が格闘技の象徴だった

――RIZIN参戦を決め、直後に対戦相手もクロン・グレイシーに決定しました。現在の心境は?


 いろいろ決断したのが10月11日と最近で、ここ1カ月以内のことでした。本当に悩んで悩んで、状況を変えようと恐る恐る一歩踏み出したら、バタバタと一気にいろいろなものが動き出して。本当に自分でも展開が急すぎて、いまいち分からないですけど、またこうやって日本に帰ってこられて、“グレイシー”の姓を持つクロンと戦えることがすごくうれしいし、やりがいを感じます。もう一回、日本で跳ねたい。もう一度大きくジャンプしたいと思います。


――今まで“グレイシー一族”との対戦はありませんでした。


 僕はずっと、93年にホイス・グレイシーが参戦していたUFCの時から見ていて、その頃から“グレイシー”は、本当に特別なものでした。“グレイシー一族”がいたからこそUFCがあったし、日本でもPRIDEが始まったので、ものすごく特別な存在。そういう相手と、日本復帰第一戦で戦えることになって、今さらなんですけど、やっと僕もプロになれたかなと。


――川尻選手にとって“グレイシー一族”というのが総合格闘技の象徴だった?


 まさにそうです。総合格闘技の象徴は“グレイシー”だと思っているし、ホイスがいなければUFCはなかったし、ホイスが「俺より10倍強い兄(ヒクソン)がいる」と言わなければ、PRIDEはなかった。それがなかったら、今の僕はいないですね。


――“グレイシー”と戦うことは、前から希望していた?


 僕はずっと団体は関係なく戦いたいと思っていました。ホイラーと山本KIDさん、須藤元気さんが同じ階級で戦っていた頃、僕が五味隆典くんたちと戦い始めた頃から、いつかグレイシーと戦えるようなファイターになりたいと思っていました。もう、グレイシーとBJ・ペンの2人と戦えば、僕の格闘技人生コンプリートかなと。

 PRIDEの王者になった五味くんと戦って、K−1王者の魔裟斗さん、ムエタイ王者になった武田幸三さん、そしてストライクフォース王者だったギルバート・メレンデス、ベラトールとUFC王者のエディ・アルバレス、HERO’Sの王者だったJ.Z.カルバン、それとDREAMの青木真也。まあほぼ負けているんですけど(笑)。このあたりは全員、当時一番強いんじゃないかという相手で、チャンピオンとも戦ってきたので、残るはBJペンとグレイシーかなと。その中で今回、グレイシーと戦えるということで、いよいよ来たなと。


――川尻選手にとって、どこで戦うとかベルトを獲るということよりも、誰と戦うかということがモチベーションになっている?


 もちろん、場所もお金も大事ですけど、より強い奴と戦いたいという気持ち。「こんな強い奴と戦ったら俺、どうなっちゃうんだろう?」という。試合結果もそうだけど、試合当日までの過程で、「俺、試合までどういう風に生きていくんだろう」というのも好きですね。単純に強い奴と戦いたいという(『DRAGON BALL』の)孫悟空みたいな(笑)。

最高の舞台を準備 あとは自分次第

――試合に向けてはどんな準備をしていく?


“殺気”を作りたいですね。UFCではとにかく勝つことだけを最優先に考えていたので、今回は“殺気”を持ってクロンを叩き切りたいと思っています。


――日本の大みそかでの試合は、12年末の小見川道大選手との試合(「DREAM.18 & GLORY 4」)が最後ですが、川尻選手にとって大みそかの格闘技への思い入れは?


 特別感はあります。年末大みそかのさいたまスーパーアリーナは日本の格闘技界にとって、ものすごく神聖な場所。そこに出られるのは限られた特別な選手だけです。ただ強いだけじゃなく、その先を持っている特別なファイター。僕にとっては特別な日であり、場所ですね。

 だからモチベーションが上がります。この年齢になると、もちろん試合には勝ちたいし、強くなりたいという気持ちはあるんですけど、なかなかそれだけでは毎日の生活を充実したものにするのが難しくて、何かしら動機付けが必要。その1つとして、日本に帰ってきて、大みそかにさいたまスーパーアリーナで戦えるというのは、ものすごい動機付けになります。さらに相手は“グレイシー”姓を持つクロンというのは、かつてないほどの舞台ですね。


――会見では“格闘技人生最終章”という言葉も使っていましたが?


 最終章の第一歩として最高の舞台を用意してもらえたし、ここから先はリングでどうするか。大会をいいものにするのがファイターの仕事で、舞台は最高のものを用意してくれたので、ここからは僕の仕事。そこはしっかり結果を出して、期待されるものを表現したいと思います。

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