2強に挑む武豊ヌーヴォ、大外攻略が鍵 BCフィリー&メアターフ有力馬を解説

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下馬評はレディイーライとセブンスヘブンの米愛2強対決

武豊&ヌーヴォレコルトが挑むBCフィリー&メアターフ、強力米英2強相手に勝算は? 【Getty Images】

 フルゲートより1頭少ない13頭で争われることになった2016年のBCフィリー&メアターフ。手頃な頭数でもあり波乱の目は少なそうな印象を受けるものの、サンタアニタパークの小回りで高速ターフ、さらには序盤にダートコースを横切るという特殊な舞台設定が、結果に影響を与える余地は十分にある。下馬評は2強対決の様相を呈しているが、3番手以下も展開ひとつで大勢逆転が可能だ。

芝中距離路線の米最強牝馬、8戦7勝レディイーライ 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 この路線でアメリカの現役最強牝馬と見られているレディイーライが前売り1番人気。通算8戦7勝、2着1回と連対をはずしたことがなく、信頼性は極めて高そうだ。3歳7月のベルモントオークス招待Sでデビュー6連勝を決めるも、その後に釘を踏むアクシデントに見舞われ、傷が元で蹄葉炎を患った。生命の危機にさらされながら、14か月近い休養を経て今年8月末に復帰。その時に喫したのが唯一の黒星だ。そんな過程を経ても、いきなり勝ち負けを演じる気力と体力は並大抵のものではない。叩き2戦目の前走で最重要プレップレースのフラワーボウル招待Sをあっさりとモノにしたように、国内組では筆頭評価も当然の器だろう。あとは遠征組との力関係か。

世界を股にかける名トレーナー、エイダン・オブライエン調教師が送り込むGI2勝馬セブンスヘブン 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 差のない2番人気に推されているのが、アイルランドからの遠征馬セブンスヘブン。世界を股に掛けて大活躍するエイダン・オブライエン調教師の管理馬で、ここまで愛オークスとヨークシャーオークスのG1を2勝と実績も十分ある。ヨークシャーオークスでは鋭い末脚を炸裂させ、先日の凱旋門賞を完勝したファウンドを下している。当時は平坦なヨーク競馬場で絶好の馬場状態に恵まれ、持ち味をフルに発揮することができただけに、高速コースで有名なサンタアニタパークは最良の舞台。前走のブリティッシュチャンピオンズ・フィリーズ&メアズSでは、出遅れて僚馬プリティパーフェクトとの連携に失敗したが、引き続き僚馬も出走する今回は、セブンスヘブン向きのペースを作りにくる可能性が高い。凱旋門賞で上位独占したオブライエン陣営の仕掛けが興味深いところ。

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