王座争う二人の“メンタル・バトル” 今宮純のメキシコGPインプレッション
有利なのはロズベルグかハミルトンか
フェルスタッペンの動きに怒り心頭。感情を抑えられなかったベッテル 【XPB Images】
連続PP&ウィンのハミルトン、連続予選2位&決勝2位のロズベルグで終わったメキシコGP。ハミルトンは“年間最多勝”を目指し、合計ポイントの優劣よりも『最速王』でいいと割り切りつつあるのかもしれない。次戦ブラジルGPは未勝利の場だが、プロスト抜き“52勝”、インテルラゴス初勝利めがけ、メンタルをピークにもっていくだろう。
一方、19点リードのロズベルグはブラジル2連勝中。ミックス複合コーナーが続くここで持ち味を発揮してきた。ただ彼はウェット状態、濡れ乾きコンディションでは苦戦することがある。勝てば戴冠となる19点差でも「五分五分」、メンタル的にはサイド・バイ・サイドのまま11月スーパーファイナルに臨むことになる。
最後に数々あった審議対象の案件について。今回ドライバー出身スチュワードのD・サリバン氏は、1983年ティレルでモナコGP5位、85年INDY500ウイナーのアメリカ人。その前に国内レースに参加、当時取材した印象としてはとても温厚でレース一筋のジェントルマンだった。最近この役割を務めているがD・ワーイック氏のような極端な判定はしいない。そのサリバン氏とオーストラリア人とスペイン人と地元4者によるジャッジの結果、公式順位はひっくりかえった。
3位に入ったセバスチャン・ベッテルが10秒ペナルティで5位に。リカルドが4位から3位に、フェルスタッペンは5位から4位へ浮上。辛い後味にイタリア人とベッテルは怒り心頭。でもレース中とはいえ競技運営責任者に“侮辱発言”はいかがなものか。他のプロスポーツであれば“一発レッドカード”、出場停止処分にもなる。こう言うのは残念だが、「今のフェラーリはとびきり辛いスパゲッティが絡まってのどごしが悪い」。野球場を再活用したスタジアムセクションでの“空表彰台3位”はやや興ざめの後味に……。