小久保監督「WBCへ結束力を高めたい」 11月の侍ジャパン強化試合メンバー発表
大谷はここ一番で頼れる投手へ成長
今年二刀流として活躍した日本ハム・大谷。11月の強化試合では打者としての起用となるが、来年のWBCは投打での活躍が期待されている 【写真は共同】
まさかここで出てくるとはという思いで見ていましたけど、栗山(英樹)監督と大谷の間で流れた空気感で最後登板が決まったと思うんですけど、あらためてすごいボールを投げたな、と。1イニングで行けばあれだけのボールが投げられるんだな、と感じました。
――WBCで大谷がCSと同様、DHからの抑えのイメージはあるか?
そこまではありません。
――この1年の大谷についての感想は?
昨年のプレミア12での一番大切なゲームで、韓国をあれだけの力でねじ伏せた時から、本人も「ここ一番の負けられない試合であんまり強くなかった」とよくコメントしていますけど、その辺がここ一番で頼れる投手になってきたと感じています。
――打線についてだが4番は固定する? またセカンドには山田哲人(東京ヤクルト)と菊池涼介(広島)とハイレベルな選手がいるが起用方法は?
4番は現時点では決めていないです。この秋の強化試合を見ながら、とは思っています。セカンドは正直2人ともすばらしい選手ですが、ただポジションは一つしかないないので、自分のポジション以外のところでも、WBCに関しては世界一を取り行くにあたって違うポジションを守ってもらう可能性は出てくると思います。具体的な話はまだしていません。試合を通して起用方法を試したいと思います。
大リーグで戦っている選手は必要
主将は置きません。就任して3年ぐらい経ちますけど、最初は誰か引っ張るメンバーがいないとお互いが遠慮してしまうと思って嶋(基宏/東北楽天)を任命しましたけど、今回のメンバーを見ても、ある程度侍ジャパンとして集まるときのメンバーはこういうメンバーが集まるんだなというチームができてきているので、誰か1人を名指ししなくても大丈夫だという判断です。キャッチャー嶋、内川(聖一/福岡ソフトバンク)、元気印の松田(宣浩/ソフトバンク)が今までどおりやってくれればいいと思っています。
――WBCでは呼びたい具体的なメジャーリーガーは誰になるか?
今の時点で名前を挙げるのは相手にとっても非常に迷惑なことになると思うので今は申し上げられないですけど、このオフを通しながらしっかりと話を詰めていければと思います。
――呼びたい理由は?
向こう(大リーグ)の中で戦っている選手がチームには必要だと感じました。
――野手での起用となる大谷の打順は?
打順も決めていません。DHは一つの枠しかないので、このメンバーを見ても分かるとおりDHに入れる選手はたくさんいるので、これから考えていきます。
――初選出の千賀滉大(ソフトバンク)の評価は?
昨年のCS、日本シリーズの中継ぎの登板を見たときに、あのフォークが国際大会で十分通用すると感じていました。今年は先発に回ったということで、どうしても球数制限がある中で1次先発、2次先発を用意しないといけないので、そういう中で先発に回って球数が投げられるし、一番の武器は空振りが取れるフォークがあるということですね。
藤浪は権藤コーチの強い推薦
久々の侍ジャパン選出となった阪神・藤浪。シーズン最後の2試合の登板を見て、選出を決めたという 【写真は共同】
外で言うことじゃないと思うので、自分の中で反省した部分を次に生かそうということですね。ただ一つ言えることは、あの悔しさを忘れる日はないということです。
――春の強化試合から外れているメンバーがいるが、WBCではこのメンバーにメジャーリーガーを加えるのか、ほかに国内から招集される可能性はあるのか?
このメンバーが中心になりますけども、プレミア12や春のメンバーに招集したメンバーも可能性はあります。
――阪神の藤浪晋太郎が体の不安もあり、侍ジャパンに最近選出されていなかったが、今回の選出の意図は?
最後の2試合の登板を見て決めました。あの姿であれば十分通用するのではないか。あとは投手コーチ(権藤博)の強い推薦があって決めました。
――巨人・坂本への期待は?
打順は4試合の中である程度、どれが一番機能するのか試したいという思いがあります。今の時点では何番かは決めてはいないです。ただ、ポイントになるのは1番か3番なので、そこに誰を置くかをコーチ陣と一緒にしっかりと決めていきたいと思います。
――CSで1番に入った坂本の働きぶりをどう見た?
彼のポテンシャルからすれば彼自身正直伸び悩みと感じていたと思うんですけど、今年の1年間の大きな飛躍は代表チームにとって非常に心強い存在になったなと認識しています。
大前提はあくまでも来年の3月
可能性というか、例えば平田良介(中日)は後半体の状態が悪くて、もちろん候補に入っていたんですけど、それを考慮して今回は外しました。そういう選手は十分可能性はあります。
――リリーフ陣の構想については?
抑えは今の時点では1人と決めていません。4試合通しながら、各球団を代表するクローザーたちなので、その人たちにやってもらいます。
――増井浩俊(日本ハム)は今季途中で抑えから先発に回ったが、どういう起用になるのか?
増井に関しては栗山監督が途中先発に起用してからの評価ですね。やはり抑えでは全球マックスで投げた姿から先発に回ったときの投球スタイルが、権藤コーチもそうなんですけど、すぐに名前が挙がってきました。もともと抑えをしていたピッチャーなので、中でも使えるという考えもあります。
――CSに登板できなかった菅野智之(巨人)の強化試合の登板の可能性は?
体調次第ですね。大事なのは来年3月なので、それに向けて11月の4試合はどうしたらいいか決めていこうと思います。大前提はあくまでも来年の3月のWBCなので、本人としっかりと話します。