ショック隠せず…錦織が感じた体の異変
想定外の敗退、臀部を痛め途中棄権
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 第1シードの錦織圭(日清食品)が第1セット途中で臀部(でんぶ)を痛めて途中棄権。本人も周囲も2年ぶりの優勝を期待していただけに、想定外の2回戦敗退に衝撃が走った。

快調なスタートから一転

メディカルタイムアウトで治療を受ける錦織
メディカルタイムアウトで治療を受ける錦織【写真:ロイター/アフロ】

 好事魔多しとはこのことだろう。錦織はきわめて快調なスタートだった。


 第1セット、第1ゲームのジョアン・ソウザ(ポルトガル)のサービスゲーム。15−15からバックハンドのウィナーをストレート、クロスに連続で沈め、最後は得意のドロップショットでいきなりブレイクした。ソウザは安定したストロークプレーヤーで、錦織としても打ち合いは大歓迎。全米オープン後の3週間の休養、トレーニングの充実を物語るミスのないプレーで早々にリードを奪ったのだが、問題はセットカウント2−0リードからの第3ゲームだった。


 フォアハンドの逆クロス、リターンエースで持ち込んだデュースがもつれた。錦織が終始、ラリーの主導権を握ってはいたものの、ソウザが持ち前の粘りでボールを繋いだ。錦織も応戦し、股抜きショットを放つなど自在に動き回って4度目のデュースでロブを決めて連続ブレイク。午後4時19分開始ながらもほぼ満席のスタンドがどっと沸いた直後、コートチェンジでベンチに戻った錦織がメディカルタイムアウトを取った。


「第3ゲームの最後のポイントでしたね。どのショットかは覚えていませんが、臀部に強い痛みがあった。それまで全く痛みもなく、徐々に来た痛みではありません。夏に痛めた脇腹とは関係ない、新しい箇所です」


 コートにタオルを敷いて臀部から背中にかけて治療を受け、試合に復帰した。第4ゲームもサービスキープして4−0としたのだが、フォアのミス、ダブルフォルトがそこまでの勢いとはかけ離れ、表情も曇りがち。第5ゲームはソウザにラブゲームでのキープを許し、第6ゲームはほとんど動けずにブレイクバックされるなど、一転して精彩を欠く内容になって4−3と追い上げられた。


「さっきまで3−0リードだったのに、まだ信じられないし、悔しいですね。これまでにないくらい良いプレーができていたので、まだ起きたことが受け止められていません」


 第8ゲーム、ダブルフォルトも絡めて15−30となったところで棄権を申し出た。

過密日程で成果を出し続けた2016年

好スタートをきった錦織だったが……
好スタートをきった錦織だったが……【写真:アフロスポーツ】

 錦織は今年、これまでになく厳しい日程を消化してきた。6月半ば、ドイツのハレの大会で左脇腹を痛めて棄権。ウィンブルドンも手探り状態で勝ち進みながら、4回戦で途中棄権している。その後、故障再発の不安を抱えながら、トロントのマスターズ(ロジャーズ・カップ)では決勝まで進み、8月のリオデジャネイロ五輪では銅メダルを獲得。さらにシンシナティにも出場し、9月の全米オープン4強、帰国後は大阪でダブルスでの出場とはいえデビス杯のプレーオフ勝利にも貢献――それぞれ成果を得ながら、過密日程を乗り越えてきた。


「夏の疲れの影響は分からないですね。この時期にはどの選手も疲れはありますから。むしろ、しっかり休め、追い込んだトレーニングもできて、万全で臨めたと思う。体調はすごく良かった。(疲れは)関連性ないと思いますが、まったく分からないですね。大事なジャパンオープンだけに、申し訳ない気持ちもあります」


 今季の目標として、マスターズ初優勝を掲げてきた。マイアミ大会、トロント大会であと一歩まで迫ったが、その課題を果たすために残されたチャンスは来週の上海大会と、10月31日からのパリ大会と2つを残すだけだ。この楽天オープンをそのきっかけにしたかっただけに、ショックは大きい。故障の様子だけでなく、日程への影響がどうなるか不安だともらしたが……一寸先は闇の、プロの世界の怖さを物語った1日だった。


 その他では、第3シードのトマーシュ・ベルディハ(チェコ)がビッグサーブのジレ・ミュラー(ルクセンブルク)に敗れる波乱があったが、第4シードのマリン・チリッチ(クロアチア)は勝ち進んだ。


(文:武田薫)

途中棄権となった試合後、対戦相手のソウザと力強い握手を交わした
途中棄権となった試合後、対戦相手のソウザと力強い握手を交わした【写真:アフロスポーツ】

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