宮城県で初開催のウルトラマラソン! 「みやぎ湯めぐりマラニック」の誕生秘話

三河賢文

プレ大会開催に至るまでの軌跡

【三河賢文】

 まず水間さんは2015年3月頃、関東に住む知り合いのランナーに相談を持ちかけました。それから半年ほど掛けて広く相談を続けつつ、少しずつ頭の中でイメージを形にしていったとのこと。そして2015年11月以降、地元のランナーの方々を通じて、コース設計や協力してもらえる企業へアプローチを開始します。そこで出会ったのが、『作並温泉・岩松旅館』の方。大会開催について興味を持ち、「ウルトラマラソンの開催について話を聞かせてほしい」と言われたそうです。

【三河賢文】

 そこから具体的なコース設計を開始。2016年3月には実際に設計したコースを地元ランナーの方々に協力いただきながら試走。想像以上にコースが厳しいなど、そこでも色んな発見があったようです。地図上だけでは見えない部分、例えばコースのアップダウンや交通量、走るのに危ない場所などを確認。さらに意見を出し合いながら、コースを改善していきました。そして遂に2016年9月10日、「みやぎ湯めぐりマラニック」のプレ大会を開催することができたのです。

「みやぎ湯めぐりマラニック」今後の展開

【三河賢文】

 今回のプレ大会では周囲から多くのサポートがあり、無事に終えることができました。水間さんも、「正直、ホッとしています。」とのこと。私はスイーパーとして実際に全長90kmのコースを走らせていただきましたが、景色が素晴らしく、全体的にランナーからの満足度が高い大会だったと感じます。

【三河賢文】

 プレ大会を終え、やはり目指すは来年の第1回大会でしょうか。現時点では、2つの視点に分けて検討したいと考えているとのこと。まずはランナー視点から、コースの安全性を確保すること、エイドの充実さ、ゾッとするような面白いコース設定。そして、やはりリーズナブルに多くの方々から参加してもらえる仕組みなど。そして企業視点から、全国に作並温泉・秋保温泉・青根温泉・遠刈田温泉の良さをアピールするために、どうすれば良いか。プレ大会で関わったメンバーとこれから相談していきますが、例えば「コースを短くして必ず温泉に入ってもらえるようなコース設定」「チェックポイントとして温泉を入ることをルールに追加」などを検討中のようです。
 本大会は、そもそも当初から競い合うことを想定していません。宮城へ遊びに来たランナーに宮城を知ってもらい、楽しんで帰ってもらえることが何よりの目的です。そのために、地域とランナー、そして主催者が楽しい時間を作れる大会を目指したい。今後に向けて、すでに大会側は動き始めています。第1回大会がどのような形で開催されるのか、ぜひ注目してみてください。

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著者プロフィール

中学生の頃から陸上競技を始め、大学では十種競技選手として活動。引退後、約7年のブランクを経て2011年6月よりランニングを開始。同年にハーフマラソン、フルマラソン、翌年には100kmのウルトラマラソンやトライアスロン(オリンピック・ディスタンス)も完走。沖縄本島1周マラソンなどを始め、今では“超長距離”レースにも数多く出場している。また“トウモロコシ”や“アザラシ帽子“をトレードマークに、仮装マラソンも楽しむ。ランニングブログも不定期更新中。趣味と過去の経験を活かし、現在は東京都葛飾区内にある中学校の陸上部にて、外部コーチとして指導も行っている

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