ラップタイムが異常上昇、影響はPUに 今宮純のインプレッション&採点
互いをリスペクトし、熱くフェアな戦いを演じたリカルドとフェルスタッペン 【LAT】
バルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)☆☆☆
初日からセットアップに苦しみながら9戦ぶり“トップ5”へ。このところ戦略面で難があったがミディアムでスタート、1ストップを成功させた。チームは僅差でランク4位攻防。目が離せないホットポイントだ。
ジェンソン・バトン(マクラーレン)☆☆☆
キャリア17年、300戦目をアグレッシブに。休養宣言後そんな走りが目立つ。予選Q2ラストアタック8位に20代前半のころの若々しさを感じた。
ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)☆☆☆
PUブローアップ。彼自身レース中にしかも首位独走中に起きたのは初めて。残るPUは2基でもフレッシュ・スペアは一つ、もう一つは3レース使用済み。試練のとき、3冠王者のメンタルが問われる。
フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)☆☆☆☆
運も実力のうち、22位から15位上昇で7位フィニッシュは「匠の技」。1コーナーはアウトから、案の定インサイドは混乱。大きく左に避け、周囲を見ながら2コーナーではインヘ。出口ラインでトラクション重視、ここでも演じた「オープニングラップ・ワンマンショー」。自己ベストラップ6位、最速ロズベルグに1.867秒差を評価したい。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)☆☆☆☆
セパンのセクター2にはコーナーが6つ。低速、高速S字、中速複合、ヘアピン、このエリアで予選2位タイム。リカルド、ロズベルグを上回った。レース中盤に競いあう極上の“チームメイト・バトル”、今ほかにあれができるチームは見あたらない。
ダニエル・リカルド(レッドブル)☆☆☆☆
精神的にも肉体的にもすべてを出し切ったアスリートのようだった。表彰台では笑顔で“靴飲みシャンパン・プレー”をサービス、こういうことも今のF1シーンに必要なのではないか。フェルスタッペンとのバトルで感じたこと、ピレリ・タイヤ片のマーブルが少なかったから、二人とも思い切り並走できた。大量に散らばっていたらできまい。
ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)☆☆☆☆☆
初日からきっぱりと勝負に臨む姿勢を感じた。予選Q3アタック中、2度ミスがあったが攻める意欲の表れ、2位にも気落ちせず、今までとやや違うポーカーフェイス的な表情。1コーナーで接触、即もうもうたる白煙のスピンターン、その後何度かロックアップしながらもはい上がっていく闘争心が伝わった。最終盤はPUをセーブ、10秒タイム・ペナルティーにも動揺せずまとめた価値ある3位。この15点、最後に大きな意味を持つことになるかも……。
(Text : 今宮 純/Jun Imamiya)