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中日・森繁和新監督、就任会見で危機感
「底上げを!この状態ならまたBクラス」
最下位で今季を終えた中日を率いることになった森繁和監督。「いい形で次の人にバトンを渡したい」と語った
最下位で今季を終えた中日を率いることになった森繁和監督。「いい形で次の人にバトンを渡したい」と語った【写真は共同】

 中日の森繁和・新監督が29日、愛知・名古屋市内で就任会見を行った。シーズン6連敗という不本意な形での締めくくり、前日も延長12回の末にサヨナラ負けを喫して迎えた会見。本来であれば祝福ムードが漂うはずの就任会見も危機感に溢れる会見となった。


“森繁和”という持ち前の人間味あふれる人柄から時折笑いを誘う場面もあったが、厳しい船出を重々受け止めた言葉からこのチームが抱える課題と問題を誰よりも理解しているように見て取れた。


以下は会見要約。


■森監督あいさつ


 監督の要請を受けまして、『このまま代行ではなく監督』として引き受けることになりました森です。われわれには苦い、ものすごく厳しい1年間ではありました。代行をしてからも(谷繁元信監督と)同じようにスムーズにはいきませんでしたが、要請を受けた日からいろいろと試したりしました。でも、そう簡単にはいかないなと思いました。


 皆さまが言っている人たちが監督になるだろうと私も思っていましたが、私が監督になり、このキツく厳しいときに、いい形で次の人たちに(バトンが)渡っていければという思いで受けました。昨日の試合が終わったばかりで、今日こういう形で、この会見を開かせていただきまして、皆さまにはこれから力をお借りしながら、またイジメられながら来年のことを考えながらひとつ、ふたつ、まだまだやらなくちゃならないことがありますから、それをひとつずつ片付けていきたいと思います。

就任要請にすぐ返事できなかった

――前日までシーズンを戦い、今日の晴れやかな会見をしている気持ちは?


 そんなに晴れやかなものはないですね。昨日のゲームの続きで、あのときこうしていれば、というものもあるし。これから来年の140何試合戦うことで苦しむのか、と。でもこれ以上、どん底に落ちることはないだろう、と。今後のことに関して考えるのがツラいときと、ちょっと楽しいときと。でも組閣のこととか二軍監督とのこれからの相談とかいろいろなことがありますけど、まぁこれから厳しい方が、苦痛の方が多いのかなという感じがします。


――監督の打診があったのは?


 ナゴヤドームの最終戦(9月25日)、阪神戦のときに私はコーチ室にいて監督室は空いていますからそこに呼ばれて。そういう話があって、すぐには返事ができませんでした。今回の東京ドームに来られたときに改めてはっきりとお答えしました。


――すぐに返事ができなかった葛藤は?


(谷繁元信)前監督がああいう状態で休養され、そのあと代行として何試合かやりました。それまではピッチャーを中心にいろいろ見ていましたが、思うようにいかないこともありました。野手、バッターの方も見ていくうちにピッチャー以上にうまくいかないことも分かりました。このままでどのくらいのものができるのかという不安もありました。ただ、ケガ人が数多く出てしまったということで、その埋め合わせをしながら補強とこれからのメンバーを揃えてやっていく上で、ある程度のものはできるのかなという実感はありました。


 多少というより不安の方が大きかったですが、このままでは終わるわけにはいかない、と。投手陣が規定投球回数をひとりも達成できず、10勝投手も誰も出なかったという経験が今までまったくなかったので、このままで終わらせるわけにはいかない、もう一度イチからやり直してなんとか次の人に渡せれば(いい)。


 まぁでも、そこまでは考えていません。来年1年間をどうやってこいつらを(鍛え上げるか)ということしか考えていません。投手では小笠原(慎之介)が出てきたり、野手でも若い人たちを使ってきたので、ある程度明るいものが出てきたら。まぁ他の人が苦労するんなら俺が苦労しても一緒かという気持ちでお受けしました。


――就任会見で「次の監督へ」という言葉は珍しい。その真意は?


 私自身も一応(コーチとして携わった)OBではありますが、現役でやっているわけではない。やっぱり選手で中日ドラゴンズのOB、そういう人たちが監督やコーチをやるのが一番いい。ただ事情として、われわれと同じ年齢の人たちはみんな思っていることとして、次の若い人たちが4年、5年、6年と懸けてひとつのチームを作り上げていくには、今すぐの1年では難しいところまできてしまったという思いがある。どうせ苦しむなら俺がもう一回苦しみましょう、その代わりいい形ができたと思ったら、そのときは退きます。それまで冷たくあしらってもらって結構ですから。(記者へ)書きたければ書いてください、と。ただ、それができなくなったときは覚悟してますから。

大島、平田は必要な戦力

――落合(博満)GMから後押しをする言葉は?


 実はまだ電話連絡していません。どこかの新聞が書いていましたけど、落合がなるか、小笠原(道大)がやるかとかいろいろありましたけど、私自身監督になるなんてことは一度も思ったことはなかった。今回、谷繁前監督の下で働いて初めて監督のツラさ、落合前監督のときはあんまり感じなかったんですけど、年下でもあるということと、今まで野球を違う目で見ていたところもあるので、今回いい勉強をさせてもらいました。それは野手を見れたということと、いろいろな監督を見てきて、みんな我慢強いんだなというのは感じます。


――名参謀といわれた森繁和の参謀は誰になる?


 そうですね、まぁ監督として見ないでください。今までどおりコーチとしてそのまま続いていると思って、ひとつ違う分野で見る形ができたと。あとはこれからどういう人たちにお願いするのか分かりませんが、(自分が)分からないものは分からないと言いますから。その分野の人たちに頼ります。その代わりみんなでひとつになって戦うようにします。


 先発投手が頑張って、リリーフ投手が頑張って、最後のセットアッパーとクローザーにつなぐというのが理想ですが、ひとりが良くても、もうひとりがダメだったら何もならないので、最初から最後まで完ぺきを求めるわけではありませんが、10人、9人揃ってみんなで束になって(やっていきます)。これ以上悪くなることはないでしょう。(報道陣の)皆さんがこれだけ束になってかかってきてますけど、優しくしてください。


――FAの権利を持っている大島洋平、平田良介についての考えは?


 ここでアプローチをしてもいいんですよね? ダメだっていうことはないですよね? ふたりは必要な戦力だと思いますし、いてもらわないと困ります。それでもこれは選手が権利を取ったものですから。どういうふうにするかは最終的には本人が決めるでしょうけど。私が来年も(中日のユニホームを)着るということは昨日の時点では何も言えなかったのですが、今日からはチクリ、チクリ電話をしたり、話をするかも分かりません。ヨソにもFAの権利を取った選手がいますけども、欲しい人はいっぱいいるかも分かりません。でもこればっかりは私ひとりで決められることではないので。とにかくウチの2人は残ってくれると信じています。残らせる努力はしようかなと思いますけど、それでも決めるのは本人ですから。そこがいるのといないのでは次の補強準備もありますから、まずそこを固めてからというのもひとつ方法ですね。


――補強といえば外国人において、今まで森監督自身が目利きをしてきたが今後は?


 できれば自分の目で見ておいたほうがいいのかなというのもあります。ただ、日程のことや行事のことがありますので、その辺はある程度任せられる人が何人か外にいますから。事前に打ち合わせを出来る範囲でしますが、自分の目でというのはあります。


――ベテランの奮起と若手の台頭がチームの課題として残っている?


 皆さんが思っている以上に私も思っていることだと思います。ピッチャーでいえば岩瀬(仁紀)、バッターでは森野(将彦)、荒木(雅博)。岩瀬とは何回か話をしましたけど、最後の炎が消えるまで、フッと消えるかも分かりませんけど、「燃え尽きるまで燃え尽くしてダメだっていうところまできたら(辞めると)言えばいいよ」と。今年1年、彼は彼なりに悩んだと思います。「(投げている)ボールは良くなってきているし、もう1回やりたいんです」という言葉が返ってきたときは、「(引退は)俺が決めることじゃないし、岩瀬が決めることで球団と話をすればいい」と言っています。ベテランはここというときにもうひとふん張りして、いい経験をさせてもらっている若手が来年一歩一歩でもいいし、二歩でもいいし、ちょっと遅れてからでもいいからひとつ上(のステージ)に立ってもらいたい。そしてこれからベテランに追いつこうとしている連中がどれだけ伸びるのか。全員10パーセントアップということを考えながら底上げをしていかないと、今のままでは無理でしょう。来年ユニホームを着る人は、底上げ、目標、行動を起こせと最後の挨拶で言いましたけど、それをさせるように頑張ります。

ベースボール・タイムズ
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プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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