ヘビー、ミドル、S・フェザー級が熱い 世界のボクシング この階級に注目!

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 体重別に17階級に細分化されているボクシングは、そのときどきで注目のクラスが変わるという特徴がある。では、現在はどの階級が熱いのか?

 まずは200ポンド(約90.7キロ以上)のヘビー級、160ポンド(約72.5キロ)をリミットとするミドル級、そして130ポンド(約58.9キロ)を体重上限とするスーパー・フェザー級の3つを挙げることができる。それぞれの階級の現状とトップ選手を紹介し、今後を占ってみよう。

新旧交代期のヘビー級 ワイルダーとジョシュアに注目

ヘビー級戦線はアンソニー・ジョシュア(写真)とデオンテイ・ワイルダーに注目だ 【Getty Images】

 ボクシングの象徴ともいえる最重量級のヘビー級は、昨年まではほぼ無風の状態が続いていた。ウラディミール・クリチコ(40=ウクライナ)がWBA、IBF、WBOの3団体統一王者として頂点に君臨していたからだ。その政権はIBFで返り咲きを果たした06年4月に始まった。

 206センチのリーチを生かした正確な左ジャブと、198センチの長身から110キロの体重をかけて打ち下ろす右ストレートを主武器に安定政権を築き、防衛は20に届くかと思われた。ところが昨年11月、タイソン・フューリー(28=イギリス)が4対1のオッズを引っくり返してクリチコ(68戦64勝53KO4敗)に判定勝ちを収めた。これを機にヘビー級は新しい時代を迎えつつある。

 フューリー(25戦全勝18KO)は身長206センチ、リーチ216センチ、体重112キロという超大型選手で、構えを左右にスイッチする器用さも持っている。大きな期待を背負ったフューリーだが、7月に予定したクリチコとの再戦を前に左足首を痛め、試合は10月29日に延期された。新王者にとっては真価が問われる試合だ。

 WBC王座には37戦全勝(36KO)という驚異的な戦績を誇るデオンテイ・ワイルダー(30=アメリカ)が君臨している。こちらも身長201センチ、リーチ211センチ、体重104キロの大型選手だ。雑な攻撃が目立つが、その分、試合はダイナミックでエキサイティングだ。4連続KO防衛中だが、負傷した右拳と右腕を手術したため、年内は休養することが確定している。

 昨年秋にフューリーが返上したIBF王座はチャールズ・マーティン(アメリカ)を経て、今年4月にアンソニー・ジョシュア(26=イギリス)の手に渡った。12年ロンドン五輪金メダリストのジョシュアはプロでも17戦全KO勝ちを収めており、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いといえる。体格はクリチコとほぼ同じで、正確な左ジャブで切り込んで右ストレートという正統派の強打者だ。新時代の旗手として大きな注目を集めている。11月26日に2度目の防衛戦を予定している。来年か再来年、全勝の王者同士としてワイルダーとの頂上決戦が期待される。

 こうしたスター選手と比べると脇役の印象は拭えないが、WBAの暫定王者、ルイス・オルティス(37=キューバ)も力がある。27戦25勝(22KO)2無効試合の戦績が示すとおりのサウスポーの強打者で、テクニックの面でも長けている。前出の誰と戦っても好カード、好勝負になるだろう。

 ランカー陣では20戦全勝(17KO)の24歳、ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)に注目したい。すでにIBFの指名挑戦権を持っており、来春、ジョシュアへのチャレンジを狙っている。このほかWBCの暫定王座決定戦に出場が予定される元WBA王者のアレクサンデル・ポベトキン(37=ロシア 31戦30勝22KO1敗)も地力がある。

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