錦織圭、疲労が色濃く力尽きるも……
「一番充実した夏」でつかんだ自信
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 全米オープン2年ぶりの決勝進出を狙った第6シードの錦織圭(日清食品)は、日本時間10日の準決勝で第3シードのスタン・ワウリンカ(スイス)と対戦。第1セットを奪ったものの、徐々に疲労が色濃く出て、続く3セットを連続で落として敗退した。ワウリンカは全米オープンでは初の決勝進出で、決勝では第1試合でガエル・モンフィス(フランス)を下した第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と優勝を争う。

エネルギーを枯渇させた気象環境

座っているだけでも汗が出てくる厳しいコンディションに、徐々に疲労が色濃く出てミスが増えた錦織
座っているだけでも汗が出てくる厳しいコンディションに、徐々に疲労が色濃く出てミスが増えた錦織【Getty Images】

 第1セット、先手を奪ったのは錦織だった。速いゲーム展開の中で、第5ゲームのワンチャンスを生かした。ダブルフォールトをきっかけにラリー戦を制してブレークに成功。立ち上がりはワウリンカのミスが目立ち、得意のバックハンドのウィナーも0という段階で、ショットの安定している錦織が先行した。しかし、座っていただけでもジトッと汗が出てくるこの日の気象コンディションは、疲労を蓄積させてきた錦織にとっては厳しかっただろう。


 第2セット、いきなり第1ゲームをサービスブレークしたが、動きは鈍く、ショットのミスが徐々に増えてくる。得意であるはずの長いラリーでのポイント数がセットを追うごとに減り始め、その分をネットプレーで補う流れに持ち込んだ。第4ゲームでブレークバックされはしたが、惜しまれたのは第7ゲーム。ここで40−0のチャンスを逃すなど、このセット8度のブレークポイントで1度しかブレークできなかった。逆にワウリンカは第12ゲームに、このセットで3度目のブレークポイントを生かし、セットカウント1−1に追いついた。


 錦織は2日前にアンディ・マリー(イギリス)をフルセット、3時間58分の激戦の末に退け、ワウリンカもフアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)と3時間13分のタフな準々決勝を戦った。前試合の疲労度はほぼ同じでも、ワウリンカには長丁場に持ち込める自信、精神的な余裕があったのだろう。第3セットは立ち上がりから攻勢に転じ、一気に4−1まで持ち込んだ。一方の錦織は、第6ゲームの15−40という窮地を持ち堪えると、渾身の力を振り絞って第7ゲームにブレークバック。さらに第9ゲームには、錦織がブレークチャンスをつかんだ。しかし、雨により屋根が閉じられたことは、サーブ力のあるワウリンカに有利に働いただろう。時速200キロ超のサーブポイントで危機を脱出すると、続く第10ゲームで決着をつけた。


 錦織はここからも粘ることのできる選手だが、さすがにエネルギーは枯渇。第4セットは自分のサービスゲームを1ゲームしかキープできずに力尽きた。

「これまでで一番充実」

全米オープンではマリーを倒し、リオ五輪では銅メダルを獲得。錦織本人(左)も「充実している」と語った
全米オープンではマリーを倒し、リオ五輪では銅メダルを獲得。錦織本人(左)も「充実している」と語った【Getty Images】

 今年は、脇腹の故障でウィンブルドンは4回戦で途中棄権。その後、トロント大会(ロジャーズ・カップ)の準優勝、リオ五輪の銅メダル、シンシナティ(ウェスタン&サザン・オープン)を戦って臨んだ最後のグランドスラムだった。


「夏だけに限れば、これまでで一番充実していましたね。体力的に強くなっているという気がします。トップ選手にも勝って自信は付いていますので、これからのマスターズ、ツアーファイナルにもチャンスはあるかと思います」


 今シーズンの4大大会はこれで終わり。タイトルはお預けになったが、全豪オープンのベスト8に今大会はベスト4と、すべてでベスト16以上に入り安定性を証明した。手応えはあっただろう。国別対抗戦のデビスカップ(9月16日〜)、楽天オープン(10月3日〜)と、プレッシャーのかかる過密スケジュールはこれからも続く。


(文:武田薫)


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