フェラーリの進歩、されど敵の背中は遠く 今宮純のイタリアGPインプレッション

F1速報

フェラーリガレージの様子は重苦しく

ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの選手権ポイントは2点差と、ほぼ振り出しに 【XPB Images】

 超高速戦イタリアGPでは2003年に、ミハエル・シューマッハが1時間14分19秒838の「フルレース・最短タイム」を残している。他のグランプリより30分くらい短いレース、スピーディな展開がイタリア人気質に合っている。

 ワンストップ単独走のまま、ロズベルグが1時間17分28秒089で走破、昨年ハミルトンは1時間18分00秒688だった。30秒以上も短縮、今年メルセデスの“豪速”ぶりが感じられる。

 3位、4位スタートから、そのままフィニッシュしたフェラーリ。3位ベッテルは1時間17分49秒079だった。昨年2位の彼は1時間18分25秒730だから、35秒以上も縮めている。ベッテルもライコネンもパフォーマンス向上を自覚していているが、さらにメルセデスはその先へと行ってしまった。最近コクピットに収まるとき、ベッテルがほぼ同年代のロマン・グロージャンやニコ・ヒュルケンベルグよりも老けたように感じる。

 本社会長ならびにVIPが難しい表情で観戦するガレージの様子は重苦しく、責任感が強いベッテルはフェラーリ2年目のプレッシャーを両肩に背負っているかに見える。表彰セレモニー前、控室でピレリの「1stキャップ」をかぶってしまい、まわりに指摘された。いままでのベッテルなら笑ってギャグのひとつもやってみせただろうに……。

 名物の空中表彰台に立つと、はしゃぐティフォシたちに笑顔で応えたベッテル、今シーズン最も厳しく耐えねばならなかったイタリアGPが終わった。

(Text : 今宮 純/Jun Imamiya)

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