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- 2016年9月6日(火) 13:40
男子のベスト8が出そろい、錦織圭(日清食品)は準優勝した2年前に続いて全米オープンで2度目、グランドスラムでは今年の全豪オープンに続いて通算6度目の準々決勝進出を決めた。1日空けて行われる準々決勝では、この日、グリゴル・ディミトロフ(ブルガリア)を破った第2シードのアンディ・マリー(イギリス)と対戦する。7年前の全米王者、フアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)と第3シードのスタン・ワウリンカ(スイス)も勝ち上がった。
完璧だった第1セット

錦織と身長211センチのイボ・カロビッチ(クロアチア)との対戦成績はこれまで1勝2敗。初対戦だった2012年の国別対抗戦デビスカップ(日本開催)で打ちのめされた印象も強いが、4年の歳月の重みを見せつけての完勝だ。
カロビッチといえばビッグサーブで、今大会3回戦までの通算エース数は1位のジョン・イスナー(米国/100本)と1本差の2位。3回戦での最速サーブは時速216キロとさほどでもないが、長身からの角度が脅威。この日、錦織はそのサーブ攻略に成功した。
強い風がカロビッチの武器を不安定にしたこともあるが、錦織はこの日「大会に入って最高の出来」と自賛したほどリターンが抜群。第1セット、カロビッチのセカンドサーブからのポイント獲得を33%に抑えて見事に攻略に成功し、リターンとサーブの好循環に、まったく危なげがなかった。
「自分のサーブが良かったですね。ファーストの確率も威力もこれまでで一番良かったと思います。一つには、相手があまりリターンの得意な選手ではないので、それほどリスクを負わなかったこともありますが、これまでで最高の試合でしたね」
第1セットの錦織のファーストサーブは確率64%で、そこからのポイント獲得率は100%。4度のサービスゲームで相手に与えたポイントはわずかに2ポイント、それもダブルフォルト2本という完璧な出来だったのだからカロビッチも対抗できない。
期待される2年前の再現

互いにサービスキープで進んだ第3セットの第10ゲーム、15−40と、この試合で初めてブレークポイント(セットポイント)を握られる。だが、そこでもセカンドサーブからサーブ・アンド・ボレーを決めるなど自在な発想で切り抜け、タイブレークも一気に6−0まで持って行って、試合時間は2時間1分のストレート勝ち。省エネでの8強進出は大きい。
「2週目に入ると自然に集中力が上ってきますね。特に今日は、いかにリターンを返せるか、集中しないといけない相手だったこともあります。身体も問題なく、いい試合ができたので、(次がマリーなら)楽しみです」
決勝まで進んだ2年前は、4回戦で第5シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を倒して勢いづき、準々決勝で第3シードのワウリンカ、準決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)を退けた。今大会も、この日の好感触を準々決勝にぶつけることができれば、夢は大きく近づくだろう。
(文:武田薫)
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