大坂なおみ、200kmサーブで全米初勝利 ジョコビッチは不安残るスタート

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格上をねじ伏せた大坂なおみ

世界ランク81位の大坂は、同30位と格上の相手をフルセットの末に下した 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】

 今年最後のグランドスラム、全米オープンが現地時間29日に開幕した。男子は17年ぶりにロジャー・フェデラー(スイス)が不在、女子もセリーナ・ウィリアムズ(米国)の女王の座が揺らいでいる。先の見えないスリリングな2週間になりそうだ。

 日本勢は第6シードの錦織圭(日清食品)を筆頭に、男子2名と女子4名が本戦入りした。この日はそのうちの3名が出場し、メジャー大会で初めてシードがついた土居美咲(ミキハウス)、初の本戦ストレートインを果たした西岡良仁(ヨネックス)は敗退。全米初出場だった大坂なおみは、第28シードのココ・バンダウェイ(米国)をフルセットの末に下して初勝利を飾った。

 今年がグランドスラムデビューとなった大坂は全豪、全仏で3回戦まで勝ち進んだ後、右膝を痛めウィンブルドンを欠場した。しかし、1カ月の休養期間を置いてからすでに5大会を戦っていることもあり、自信は取り戻しているようだ。持ち前のビッグサーブに多彩な展開が加わったところが今年の成長で、同じパワー系の格上選手を相手に冷静に対処した。第1セットのタイブレークは落としたが、第2セットはファーストサーブからのポイント確率を92%に上げ、攻勢に転じて第3ゲームで先にブレークした。

 この日は気温31度で日差しが強く、バンダウェイは勝負を急ごうと気持ちが走ったのだろう。このセットでは大坂の2倍、15本のウィナーを記録する一方で、アンフォーストエラーを3倍以上の13も記録した。対する大坂が真骨頂を発揮したのは最終セット、3−3で迎えた第7ゲームのサービスゲーム。0−40と追い込まれた場面で、この日最速の200キロのサービスエースを打ち込むなど、5ポイント連取でサービスキープ。これでゲームの流れをしっかり引き寄せると、第10ゲームをブレークして全米での初勝利を手にした。

 一方、自己ベストの世界ランキング32位に上がった土居は、相手にバックサイドを攻められ、得意のフォアを封じられたまま敗退。西岡は前日の発熱で体調が不十分だったこともあり、こちらも得意のラリー戦には持ち込めず、ケビン・アンダーソン(南アフリカ)にストレートで敗れた。

ジョコビッチは初戦突破も右腕に不安?

左手首の負傷で五輪は初戦敗退となったジョコビッチ。この試合では右腕にも不安をのぞかせた 【Getty Images】

 男子では、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)、第4シードのラファエル・ナダル(スペイン)がセンターコートに登場した。

 ジョコビッチは今年、全仏オ―プンを初制覇して「生涯グランドスラム」を達成したものの、直後のウィンブルドンは3回戦、リオ五輪ではよもやの1回戦敗退に終わり、その後のシンシナティーのマスターズも欠場した。五輪前には左手首を痛めており、大会前の会見で「故障は問題ない」と話していたが、どうやら問題は残っているようだ。

 対戦したイエジ・ヤノビチ(ポーランド)は203センチ、91キロの巨漢プレーヤー。一時は世界ランク14位まで上がった経歴もあるが、今季は膝の故障で全豪オープン以降の半年間を欠場。7月下旬からチャレンジャー大会で慣らしつつ、プロテクトランキング(編注:ケガで長期休養した選手に認められる暫定ランキングで、離脱前の成績から算出される)での出場だった。そんな復帰間もないヤノビチに対し、ジョコビッチは精彩を欠き第2セットを落とす。また、第1セット第5ゲーム後にメディカルタイムアウトを取って右腕のマッサージを受ける場面もあった。勝ちはしたものの不安を残す内容について指摘されると、「今それを話す必要もないだろう」と質問をかわしたが、雲行きの怪しいスタートになった。

 男子では第13シードのリシャール・ガスケ(フランス)が敗れたが、ナダル、第5シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、第7シードのマリン・チリッチ(クロアチア)ら上位シードは勝ち進んだ。女子は第2シードのアンゲリク・ケルバー(ドイツ)が好発進、第3シードのガルビネ・ムグルサ(スペイン)も勝ち進んだが、リオ五輪で金メダルを獲得し注目されたモニカ・プイグ(プエルトリコ)は、中国のサイサイ・チェンに敗れ1回戦敗退となった。

 大会2日目は、第1試合に錦織圭が登場。世界ランク96位のベンジャミン・ベッカー(ドイツ)と対戦する。

(文:武田薫)
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2016年8月29日(月)〜9月12日(月)
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