高校日本代表が壮行試合で手にした手応え 甲子園から台湾へ舞台を移し躍動目指す
投打で“格上のスピード”を体感
初回、牛島に2点タイムリー二塁打を浴びた早川(右)。高校日本代表は初回に5点を許した 【写真は共同】
特に対応に苦慮したのが、縦の変化球。7月の日米大学野球を制した大学代表投手陣は、対大学米国代表対策として、特に「縦の変化球を有効に使える」ことを選考基準で重視していたこともあり、普段対戦している高校レベルの投手とはキレが格段に違っていたはずだ。これに伸びのあるストレートを混ぜられ「大学生のスピードボールやキレの良い変化球に対し、まだまだ自分たちのスイングが甘いと感じてくれたはず」と高校代表・小枝守監督は、今後の成長に期待を込めた。
また、大学生のスピード感でいえば守備でも大きく感じたはずだ。初回の5失点は大学代表の2番・大西の内野安打から。ボテボテのセカンドゴロを伊藤優平(八戸学院光星高)は待って捕り一塁へ送球したが、大西の足が勝りセーフになった。
その後、安打と四球で一死満塁のピンチを招くと、ファーストゴロを林中勇輝(敦賀気比高)が本塁に送球するも再び大西の足が勝り、フィルダースチョイスとなった。この後、連打で畳み掛けられ5失点を許すビッグイニングとなってしまった。
大西は大学代表の中でもトップの俊足ということもあり、このレベルの選手がU−18のアジア選手権に出場してくるとは限らないが、天然芝の球場で行われる同大会に向け、前にチャージして捕る意識はより必要となりそうだ。
小枝監督は試合後、「このスピード感や(満員となった)こうした球場の雰囲気に慣れることができました」と手応え口にし、投手陣については「一戦必勝の舞台なので、勝ちたい気持ちを前面に出す投手から起用していく」、野手陣については「軸はある程度固まってきたので、あとはチャンスメーカーをいかに作るか」と具体的な課題を提示した。短い準備期間で、はっきりと方向性が打ち出せたのは大きなことだろう。
甲子園を沸かせた選手たちが中心の高校代表が、次は日の丸を背負い台湾で躍動を目指す。