メダルの命運を分けた「1打」の意味 女子ゴルフ野村の課題はパーオン率
最終日に猛チャージを見せたが、メダルまであと1打及ばず4位で大会を終えた野村敏京 【Getty Images】
野村は最終日に大きくチャージを見せたものの、あと1打及ばなかった。その1打の差を野村は「パッティングが決まらなかっただけ」と語ったが、データを見ると違うところに銅メダルのフォン・シャンシャンとのわずかな差が見て取れた。
パッティングは銅メダルのフォンを上回るも……
平均飛距離:257.6ヤード(7位)
フェアウェイキープ率:80.77%(35位タイ)
パーオン率:68.06%(32位タイ)
パッティングのスコアに対する貢献度:1.332(5位)
フォン・シャンシャン(銅メダル)
平均飛距離:248.9ヤード(20位)
フェアウェイキープ率:80.77%(35位タイ)
パーオン率:79.17%(5位タイ)
パッティングのスコアに対する貢献度:0.128(27位)
野村が敗因に挙げたパッティングはむしろフォンを上回る数字を記録している。確かに最終日は多くのチャンスを作ってバーディパットをもう一つ決めきれなかった印象だったが、全体を見れば野村のスコアはパッティングが作っていたと言っていいだろう。ちなみにパッティングのスコアへの貢献度は銀メダルのリディア・コと比べても野村の方が良い数値だ(コは−0.105で32位だからむしろグリーン上で苦しんでいる)。
グリーンを捉えるショットが課題
アプローチ技術の高さには定評がある野村。課題は明確だ 【Getty Images】
ちなみに、パーオン率ほどの差がストロークに表れていないのは、野村のアプローチ技術の高さにある。グリーンを外した時のパーセーブ率は全体の1位。丸山コーチも「試合運びが落ち着いていて、アプローチ、パットが長けていた印象」と小技の精度を評価した。それだけに課題は明確。野村がトップを獲る日もそう遠くはないと思える五輪での戦いぶりだった。
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