錦織が銅メダル獲得 96年ぶり快挙
「ラファに勝てたのも大きな収穫」
テニスでは1920年アントワープ五輪以来のメダルを獲得した錦織圭
テニスでは1920年アントワープ五輪以来のメダルを獲得した錦織圭【写真:青木紘二/アフロスポーツ】

 第4シードの錦織圭(日清食品)は日本時間15日、リオデジャネイロ五輪の男子テニスシングルス3位決定戦で、第3シードのラファエル・ナダル(スペイン)と対戦し、セットカウント2−1(6−2、6−7、6−3)で勝利。銅メダルを獲得した。


 前日の準決勝でアンディ・マリー(イギリス)に敗れ、「気持ちを切り替えて」ナダル戦に臨んだ錦織。第1セットを奪うと、第2セットもゲームカウント5−2まで持ち込み、王手をかける。しかしそこからナダルが意地を見せて、連続でゲームを奪うと、錦織はタイブレークも落とし、このセットを奪われる。それでも第3セットは先にブレークを奪うと、そのリードを最後まで保持し、ナダルから勝利した。


 五輪におけるテニス競技のメダルは、1920年アントワープ五輪で熊谷一弥が銀メダルを2つ獲得して以来、96年ぶりの快挙となった。


 以下、試合後の錦織のコメント。

日本やチームの声援が力となった

――96年ぶりのメダル獲得だが?


 素直にうれしいですね。特に(第2セットを)5−2から逆転されて、何回も気持ちが折れそうになりました。ファイナルは、しっかりと気持ちを切り替えて、メダルももちろん懸かっていますし、日本の声援やチームの声援も自分の力となって戦えたので、率直に今日は勝ててうれしいですね。


――トイレットブレークもあったが、劣勢からどうやって気持ちを立て直したか?


 彼がまたすごく良いテニスをしてきたので、6−2、5−2までとは違ったアグレッシブなプレーだったり、サーブも良くなってきたり、少し、あれを続けられたらファイナルもマズイかなというのがずっと頭の中にありました。先にブレークを取れたことで、少し余裕もできて、良いプレーがだんだん、1セット目みたいな攻めるプレーが、リードしたことでより自信を持ってできました。


――ブレークした(第3セットの)第4ゲーム、相手のファーストサービスを見事にリターンする場面が2つ続いたが、あの場面の集中力は?


 あまり覚えていないですね。1ゲーム目からすごく攻められているなというのを感じていましたし、自分のサービスゲームも結構苦労して取っていたので、さっき言ったように、このままではマズイなというのはあったんですけど、ちょっと彼のミスもあったり、なんか思いもよらぬブレークではありました。その後、本当に集中して入れましたね。(第2セットの逆転された)5−2のこともあったので。本当に1球、1球。今日は特にサーブが良かったので、それを信じてプレーしていました。


――5−2でサービングフォーザマッチが2回あったのに取れなかった場面は、今、振り返って何が原因か?


 一番は(動きが)硬くなりましたね。彼のプレーが良くなったのももちろんありますけど、半分くらいは。でも、メダルを意識してしまったのは、もちろんありますし、サーブからストロークも少し焦りが出て、さすが大舞台だなという(苦笑)。でも、これを乗り越えればまた何か自分の力になるかもというのは、特にファイナルは感じていました。

4年後、もっと強くなって臨みたい

――夏のシーズンが始まる前は、あまり無理せずに全米オープンに照準を合わせるというニュアンスのことを話していたが、五輪に対する意識や考え方は変わったか?


 そうですね。想像以上に出し過ぎちゃいましたね。もう結構限界に体は近い。この3位決定戦という大きさ、大事さも頭に入っていましたし、昨日の悔しい負けが、アンディ(・マリー)にあんなに簡単に負けるんだっていう、(ノバク・)ジョコ(ビッチ)とアンディにまだまだ何もできないんだなというので、すごくショボンとしてしまった。その中からチームの後押しがすごく大きかったです。もう、どちらにしろ最後の試合ですし、思い切りプレーして自分らしいプレーを心掛けるということだけを頭に入れて(やった)。来週は、様子を見てからですね。


――あらためて、3度目の五輪はどんな舞台だったか?


 まあ、確実に(3位という)結果もそうですけど、(自分が)レベルアップしているなというのは感じましたね。テニス的にもそうですし、自信がついてこれだけプレーできているというのも本当に4年前とはまったく違った(こと)。ベスト8で結構いったなというのが自分の中には前回あったので、(今回は)ベスト4でもあんまり満足しないというか、当たり前というか、そういう位置に来ているんだなというのを感じた。4年後、どうなっているか分からないですけど、もっともっと強い気持ちで強くなって、また臨みたいですね。


――五輪はいつも自分を成長させてくれると言っていたが、銅メダルという結果を得て、普段のツアーにも自信になるか?


 そうですね。絶対に、何かしらは得ていると思います。特に、今日、これだけ体も疲れている中でプッシュして、セカンド(セット)をあんな形で取られ、その中でも集中してまたファイナルをプレーできた。プラス、ラファ(エル・ナダル)にクレーで2回、今年負けていたので、それを吹っ切れた試合にもなったので。銅メダルもそうですし、ラファに勝てたのも大きな収穫になったと思います。

国のために戦うのは楽しかった

 以下は外国人記者の質問。


――第2セットで勝利を目前にセットを落としたのは何が起きたのか。またそこからどう気持ちを切り替えたか?


 5−2になった後、どうしたらいいか分からなくなってしまって。最後の数点のところで勝ち急いでしまったのは確かです。彼のプレーは良くなっていたし、素晴らしかった。でも、僕も気持ちを切り替えようと努めました。第3セットでブレークを取ると、すぐにより積極的なプレーができるようになって、自信を持って戦うことができました。勝ててうれしいです。


――日本人としてテニスでは3人目のメダリストとなりました。この偉業、そして五輪のメダルを勝ち取った今の気持ちは?


 3位とはいえ、今日メダルを取れたのはとてもうれしいです。特に、ナダルを下してのメダルですから、とても大きな意味があります。大会前から、ソリッドなテニスができれば、メダルのチャンスがあると思っていました。自分の国のために戦うのはいつものツアーとは違っていてとても楽しかったですし、今後に向けて自信にもなりました。


――第2セットの後、コートに戻るまでに時間がかかったが?


 ウェアやいろいろ一式、着替えていました。


――今日の勝因は? ナダルに対して一言。


 とてもタフな試合でした。第2セットで5−2になってから、彼のプレーがだんだんと良くなってきました。そこから流れを引き戻すのは簡単ではなかったですね。彼は良いテニスをしていたと思います。第3セットでも彼は良いプレーをしていたし、とてもタフでしたね。

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