最後の五輪となるリオで放った輝き 超人・ボルトの栄光を振り返る

永塚和志
アプリ限定

リオ大会で五輪3連覇の偉業

2008年の北京から今大会まで男子100メートル五輪3連覇。一時代を築いた希代のランナー、ウサイン・ボルト 【写真:アフロスポーツ】

 2008年8月16日、北京国家体育場。北京五輪男子100メートル決勝。スプリンターとしては常識外れの長身選手が、五輪の短距離種目で史上最も衝撃的なパフォーマンスを見せつけた。

 ウサイン・ボルト。当時21歳のジャマイカ人は2位のリチャード・トンプソン(トリニダード・トバゴ)以下に大きく差をつけてゴールラインを駆け抜けた。メインスタンドの観客へ向けて自身の胸をたたきながら――。

 たたき出した9秒69という驚愕のタイムは世界新記録だった。その4日後の200メートルでも、不滅と思われたマイケル・ジョンソン(米国)の世界記録を0.02上回る19秒30をマークした。そして4x100メートルリレーでも同様に世界新記録で金メダルを獲得、3冠を達成した。2カ月半前にすでに100メートルの世界新記録(9秒72)を樹立し、200メートルでも19秒67という好記録を出していたわけだから、北京では両種目において優勝候補だったが、五輪という最大のスポーツイベントで、世界新記録での優勝を果たしたことによって、ボルトの名前は陸上ファンのみならず市井にまで一気に広まることとなった。

 それから8年がたったが、ボルトは依然として世界の頂点に居続けた。本人が最後の五輪と位置づける今回のリオ大会でも、男子100メートルで3連覇という偉業を果たした。
  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 次へ

1/2ページ

著者プロフィール

茨城県生まれ、北海道育ち。英字紙「ジャパンタイムズ」元記者で、プロ野球やバスケットボール等を担当。現在はフリーランスライターとして活動。日本シリーズやWBC、バスケットボール世界選手権、NFL・スーパーボウルなどの取材経験がある

新着記事

スポーツナビからのお知らせ

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント