思い通りの展開に持ち込めず後手に 大山加奈が語るバレー日韓戦の敗因

田中夕子

グループリーグ第1戦の韓国戦に敗れた全日本女子代表 【写真は共同】

 リオデジャネイロ五輪のバレーボール女子日本代表は日本時間6日(以下同)、グループリーグの第1戦、韓国戦に臨んだ。日本はエース木村沙織、長岡望悠らが先発となり、第1セットこそいい流れで奪ったが、その後3セットを連取され、1−3で黒星スタートとなった。

 大事な初戦を黒星で終えた全日本女子の戦いを、2004年のアテネ五輪に出場し、現在はバレーボール中継の解説などを務める大山加奈さんに振り返ってもらった。

いい入りが逆効果に……焦りが出てしまった

第1セットこそいい入りができたが、それが第2セット以降の焦りにも繋がった 【写真:ロイター/アフロ】

 大事な初戦、敗れた悔しさ以上に、モヤモヤする試合でした。

 第1セット、日本のスタートはとても素晴らしい入り方でした。とにかくサーブが走っていたこと、さらに韓国の調子が上がらなかったこともあり、理想通り、いえ、理想以上の入り方をして第1セットを先取することができました。

 このまま一気にと誰もが思うところですが、実はあれだけいいスタートを切った後の第2セットの戦い方というのはとても難しい。いいイメージが強く残り過ぎてしまったせいなのか、第2セットでシーソーゲームが続くと、チーム全体に焦りが目立ち始めました。

 少しずつ本来の調子を取り戻す韓国に対し、日本のブロック、レシーブは目的がやや中途半端になり、止めるのか、タッチを取るのかということも徹底されていないように見えました。

 韓国戦に向け、十分な対応をしてきたはずなのに、負け方は5月の五輪最終予選とあまり変わっていません(この試合もセットカウント1−3で敗戦)。ミドルからの攻撃打数が少なく、競り合いや劣勢になったところでトスが低くなってしまい、打ち切れずにフェイントをせざるを得なくなってしまった。最初はそれでもうまく決まっていましたが、韓国も早めにフェイントに対するシフトを敷いてきたので、前半は決まっていたフェイントが拾われてしまい、無理に打ちに行ったボールが拾われたり、ミスになる、悪循環を招きました。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。著書に『高校バレーは頭脳が9割』(日本文化出版)。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)、『青春サプリ』(ポプラ社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など女子アスリートの著書や、前橋育英高校硬式野球部の荒井直樹監督が記した『当たり前の積み重ねが本物になる』『凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること』(カンゼン)などで構成を担当

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