【新日本プロレス】内藤が中嶋との首位対決を制し混戦抜け出す 永田は無情リングアウト負けで首位から転落

高木裕美
 新日本プロレスの真夏の祭典「G1CLIMAX 26」第12戦となる4日の福岡市民体育館大会では、Bブロック公式戦5試合が行われ、満員となる2573人を動員した。この日の結果により、内藤哲也、マイケル・エルガンの2人が4勝2敗の8点で首位タイで抜け出す。その後を6選手が3勝3敗の6点で追う混戦状態となった。

デスティーノ2発で中嶋に快勝

 メインイベントでは、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)の内藤哲也が、プロレスリング・ノアの中嶋勝彦に快勝。3カ月前はIWGPヘビー級王者としてメインを締めた福岡の地で、改めてLIJ旋風を巻き起こした。
 両者は試合前の会見で舌戦を展開。中嶋が内藤の決め台詞「トランキーロ」を引用して挑発したことで、因縁の火がくすぶっていた。地元・福岡県福岡市出身の中嶋に対し、内藤は大「内藤」コールで支持率の差を見せ付けると、場外戦でもゆったりと呼吸を整えながら、客席の「入れ」コールに対し、「あっせんなよ」とばかりにニヤリ。中嶋に対し、ニークラッシャー、ヒザへの低空ドロップキック、リバースインディアンデスロックと、徹底したヒザ攻めで得意のキックを封じにかかると、さらに雪崩式フランケンシュタイナー、グロリア。
 中嶋もR−15、バックドロップ、顔面へのトラースキック2連発からカウンターのドロップキック、PK。しかし必殺のヴァーティカルスパイクを狙おうとブレーンバスターの体勢で持ち上げたところを内藤は空中で切り返し、そのままデスティーノを炸裂。すかさずダメ押しの2発目で勝利を奪った。

次戦EVILとのLIJ対決をアピール

 これで首位タイとなった内藤は「次戦はEVIL。福岡の皆様も早く見たいだろうと思いますが、そこは、トランキーロ! あっせんなよ」と決め台詞で観客をあおり、「リーグ戦最大の山場」だという7日・浜松大会でのEVILとのLIJ同門対決をアピール。「中嶋戦はEVIL戦の前のウォーミングアップにしかならない、そう思ってたけどキツかった。でも、楽しかった、中嶋に送る言葉があるとしたら、アニモ。また次の対戦楽しみにしてるよ」と、初対決となったノアのライバルに賛辞を送りつつ、「EVIL戦はオレにとって一番楽しみで、一番厳しい。星取りとか関係なく、オレたちLIJがG1の熱を生んでる。G1を引っ張っていることをお忘れなく」と、LIJが今年のG1、そしてプロレス界の中心に立って、さらに熱い夏にすると訴えた。

柴田がオメガに辛勝 本間は脱落

 セミファイナルでは、NEVER無差別級王者・柴田勝頼がケニー・オメガを破り、3勝3敗で優勝戦線に踏みとどまった。
 オメガは場外で柴田を鉄柵に振ると、エプロンの角へ背中を打ちつけ、本部席のテーブルめがけてニークラッシャー。得意のラフ殺法で先手を取ると、さらにマフラーホールドで柴田の体を吊り上げ、投げっぱなしジャーマン、裏ヒザ十字固め。しかし、柴田は片翼の天使を三角絞めへ切り返し、最大の危機を回避。オメガはなおもヒザ蹴り、Vトリガーから再び片翼の天使を狙うが、柴田はバックを取ってスリーパーで捕獲すると、じっくりと絞め上げてからのPKでフィニッシュ。負け越していた星を五分に戻し、逆転Vへ望みをつないだ。

 本間朋晃はEVILに敗れ痛恨の4敗目。序盤から小こけし、こけしロケット、こけし落としとフルスロットルでたたみかけるも、肝心のこけしをかわされ自爆。すかさずEVILがダークネスフォールズ、EVILとたたみかけ、本間を優勝争いからの脱落という闇に引きずり込んだ。

エルガンが4連勝で首位タイに浮上

 インターコンチネンタル王者のマイケル・エルガンは、YOSHI−HASHIに辛くも勝利し4勝目をGET。得意のパワー殺法でYOSHI−HASHIをデスバレーボム、パワーボムでコーナーマットに投げつける豪快な攻めを見せると、エルガンボムでフィニッシュ。混戦模様のBブロックの中で頭ひとつ飛び出した。

 第三世代の星として奮闘する永田裕志は、矢野通の策にはまり、無念の3敗目。白目式腕固めを繰り出すなど、自分のペースに引き込もうとした永田だが、矢野は場外での急所攻撃から、永田の足をテーピングでグルグル巻きにして逃亡。身動きの取れなくなった永田が、無念の場外リングアウト負けを喫した。
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント