DeNA筒香嘉智、本塁打量産の要因 2480安打の立浪和義氏が解説

週刊ベースボールONLINE

7月に月間16本塁打と本塁打を量産し始めたDeNA筒香。その要因を通算2480安打の立浪和義氏に解説してもらった 【写真:BBM】

 7月は3試合連続のマルチ弾など、月間16本塁打を放つ活躍を見せた横浜DeNA・筒香嘉智。8月4日終了時点で打率3割2分9厘、33本塁打、78打点の成績で、打撃3冠部門のトップを走る山田哲人(東京ヤクルト)を一気に捉えた。打撃覚醒の要因について、歴代8位の通算2480安打を放った立浪和義氏に解説してもらった。

「バットが下から出る欠点があった」

 夏場にきて、すさまじい勢いで打ちまくっているのがDeNAの主砲・筒香嘉智選手です。7月だけで16本塁打は素晴らしいですね。ヤクルト・山田哲人選手が独走気味だった打撃3冠部門でもホームランで1本抜き去り、打点が4差、打率も4厘差。“三冠王”を2人で争う形となってきました。2014、15年と2年連続で打率3割台、ホームランも20本台(22、24本)をマークしている素晴らしい選手ですが、今年は、すでに33本塁打。才能が完全に覚醒しましたね。

 高卒で入団し、24歳とまだ若い選手ですが、あれだけのパワーを持ちながらも、研究熱心で現状に甘んじることなく、毎年構えやタイミングの取り方を微妙に変えています。私が今まで筒香選手のスイングを見ていて感じた欠点は、バットが少し下から出る傾向があるということでした。そのため速い球やインサイド気味の球に弱いところがあったのですが、今年はトップに入ったときから、バットが上から出る形がしっかりできています。

「ボールとの距離をつくっている」

 最近、高めのボール気味の球をホームランにしていることがありますよね。高めのボールを飛ばすためには距離をつくる必要があります。今までは球を追いかけるように上体が前に出てしまい、この距離がつくれず詰まることがありましたが、今年の筒香選手は頭を後ろに戻すようにして距離をつくって振っています。自分の中でボールを遠くに飛ばすためのコツを一つつかんだのだと思います。最近のホームランを見ていると、全盛期のバリー・ボンズ(現マーリンズコーチ)のようにも見えてきます。スケールの大きなバッターに成長しましたね。

 ホームランバッターはいくつかのタイプに分かれ、バットが遠回り気味でインサイドは詰まりやすいのですが、真ん中より外側の甘い球を打つことでホームラン数を増やしてる選手もいます。ただ、インサイドを投げておいたほうが長打がないというバッターはピッチャーも怖くないと思います。インサイドを攻めて、それが投げ損なって甘くなったときにホームランされるという怖さ。これを持っているのが本当のホームランバッターだと思います。その意味でも筒香選手はホームランバッターらしいホームランバッターと言えるでしょう。もちろん、山田選手も同様にインサイドをしっかりさばける素晴らしい選手です。2人の争いに注目ですね。
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