出番なしのイチロー、次回先発の機会は? 「無理に打たせることはない」と監督明言

丹羽政善

15試合ぶりに出場機会がなく、チームメイトを迎えるイチロー(右端) 【写真は共同】

 現地27日(日本時間28日)フィリーズ戦の8回、2点を加えてなおも無死二塁の場面、ダブルスイッチで3番に入っていた投手のダスティン・マゴワンに打席が回ってきた。

 ここで、この日はスタメンから外れていたイチローの出番かと思ったが、マゴワンがそのまま打席へ。ネクストバッターズサークルで彼がバットを振っている時点でおかしいとは思ったが……。

 その時点で10対0。もう、それ以上投手を使いたくなかったのだろうが、試合後、ドン・マッティングリー監督は、あの場面でイチローを起用しなかった理由をこう説明している。

監督はホームでの達成を考慮せず

「試合が壊れていたし、ベテランをああいう状況で起用するのもどうか。イチローにはもっとふさわしい大事な場面がある」

「3000安打が迫っているのに?」と聞かれたときは、「分かっている」と前置きした上で正論を口にした。

「無理矢理、打たせるようなことはしたくない。あくまでのチームの勝ちが前提だ」

 数日前にもマティングリー監督は、「マーケティング的なことを考えれば、チームはホームで3000安打を打って欲しいと考えているはず。そこを考慮するか?」と尋ねられて、「その答えはNOだ」ときっぱり否定している。

 これがシーズン最後の数試合なら別なのかもしれないが、今の段階では、あくまでも勝利が優先――。

「われわれの外野手3人は悪くない」

 ただ、本来この試合はジャンカルロ・スタントンに代えてイチローをスタメンで使うつもりだったよう。ところが、スタントンが前日の試合で2安打2打点の活躍を見せたことで、監督の気が変わった。スタントンの勢いを止めたくなかった。

 結果的にはそれが功を奏している。この日の初回、そのスタントンが2ランを放って3対0。チームはその後も優位に試合を進めたのだ。

1/2ページ

著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント