奇跡の逆転V目指す栗山ファイターズ
21勝2敗の要因と今後の課題
6月19日から球団新記録となる15連勝で貯金を大幅に増やした日本ハム
6月19日から球団新記録となる15連勝で貯金を大幅に増やした日本ハム【写真は共同】

 6月18日終了時点で34勝31敗1分け、首位と11.5ゲーム差の3位だったチームが、翌19日から約3週間に渡って勝ち続け、2007年に樹立した球団記録を上回る破竹の15連勝。7月12日にオリックスに1点差で敗れて連勝は止まったが、翌13日から再び5連勝を飾った。


 この6月19日から7月26日までの成績は21勝2敗(勝率9割1分3厘)。圧倒的な強さで、貯金を「3」から「22」へと増やし、首位・福岡ソフトバンクとのゲーム差を「11.5」から「4.5」まで縮めてみせた。

チームの看板となった23歳&22歳

エースの階段を着実に上っている2年目の有原。7月の防御率は脅威の0.00
エースの階段を着実に上っている2年目の有原。7月の防御率は脅威の0.00【写真は共同】

 この快進撃の“投”の立役者は、今や北海道日本ハムの2枚看板となった有原航平と大谷翔平だ。


 15連勝中、先発投手に白星がついた試合は11試合あったが、そのうち6試合が2人によるもの(有原3勝、大谷3勝)。特に有原は、7月2日の首位・ソフトバンク戦で強力打線を8回5安打無失点に抑え込むと、続く9日の千葉ロッテ戦でも8回3安打無失点の好投。さらに22日のオリックス戦でも7回6安打で無失点を続け、7月は3試合23イニングを投げて防御率0.00。現在23歳、調子の良くなかった6月25日のオリックス戦では「申し訳ない」と反省しながらも、悪いなりにも5回2失点にまとめるなど、エースへの階段を着実に上っている。

前半戦最後にマメを潰してオールスターの登板を回避した大谷だが、24日のオリックス戦に中継ぎ登板。首位奪回へエンジンを再点火させる
前半戦最後にマメを潰してオールスターの登板を回避した大谷だが、24日のオリックス戦に中継ぎ登板。首位奪回へエンジンを再点火させる【写真は共同】

 もう一人の主役は、7月5日に22歳となった大谷だ。15連勝中も、6月19日の中日戦での8回2安打無失点登板から、計4試合に先発して3勝0敗。計29回1/3で、失点わずか3。さらに大谷は“投”だけにとどまらず、白星を挙げた3試合は自ら打席にも立つという“リアル二刀流”で試合に臨み、7月3日のソフトバンク戦では「1番・投手」として初回先頭打者アーチの離れ業をやってのけた。この一打、日本のプロ野球史上はもとより、メジャーリーグでも前例のない“世界初”の珍事だったという。7月10日のロッテ戦で右手中指のマメをつぶしてオールスター戦での登板を回避したが、同24日のオリックス戦で中継ぎ登板して元気な姿を披露。エンジン再点火へ向けて準備は万端だ。

先制=陽岱鋼→逆転=田中賢の図式

6月19日以降、4割を超える打率を残す陽岱鋼。現在の得点圏打率3割8分5厘はパ・リーグトップ
6月19日以降、4割を超える打率を残す陽岱鋼。現在の得点圏打率3割8分5厘はパ・リーグトップ【写真は共同】

 一方、“打”の主役は、陽岱鋼と田中賢介だ。


 プロ11年目、29歳となった陽は、6月19日以降の23試合で打率3割8分5厘(91打数35安打)、4本塁打、23打点の大暴れ。中田翔が腰痛で欠場した際には堂々と4番に座り、現在の得点圏打率3割9分7厘はパ・リーグトップ。得点機に前打者が凡退したり、送りバントを失敗したりしても、それらを帳消しにする一打でチームを救い、常々「翔と岱鋼のチーム」と栗山英樹監督が公言している通りの働きを見せた。

メジャー挑戦から復帰2年目の田中。勝負強いバッティングで栗山監督からの信頼も厚い
メジャー挑戦から復帰2年目の田中。勝負強いバッティングで栗山監督からの信頼も厚い【写真は共同】

 メジャーから復帰2年目の35歳・田中賢も、ここまで得点圏打率3割4分とチャンスで高い集中力を発揮。6月27日の埼玉西武戦では7回2死満塁からの同点タイムリー、同29日も同じく7回2死満塁から走者一掃の決勝タイムリー三塁打を放った。さらに球団タイ記録の14連勝と北海道移転後ホーム通算500勝がかかった7月10日のロッテ戦では、1点ビハインドの9回裏2死から相手守護神・西野勇士のフルカウントからの直球を叩いて起死回生の同点ソロ弾を放った。


 その試合後、「(本塁打を)狙った」と田中賢。普段は追い込まれるまで、もしくは追い込まれてからも徹底して粘りのバッティングを貫くが、この場面では「1点差で9回裏、前打者を含め西野が投じた8球はすべて直球」とした上で、「歩かせて一発逆転でのレアードは避けたい。だから最後も直球で自分と勝負するはず」と狙い澄ましたフルスイング。経験を生かした読みで、指揮官からの信頼はチーム一と言っていい。


 こうして出来上がった「先制=陽岱鋼、逆転=田中賢介」の図式が快進撃の原動力となっている。

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