スカウト陣も今季のイチローを評価 強い当たりもシフトに阻まれあと6のまま
イチローは現地20日のフィリーズ戦で代打で登場。強い当たりを放ったが、相手シフトに阻まれた 【Getty Images】
そのとき、ア・リーグのスカウトがこんな質問を投げかけて来た。
「少し前、われわれのチームでいろいろな選手の評価をしたが、4つの部門すべてで、満点近い得点をとったのは誰だと思う?」
何人かの選手を思い浮かべながら、一方でバランスの悪い選手の名前を消しながら、という作業を頭の中で行ったが、すぐには答えられないでいると、「簡単じゃないか、イチローだ」と教えてくれた。
「打撃はもちろん、肩の強さ、守備範囲、走塁も申し分ない。彼は2007年のシーズン終了後にフリーエージェントになる予定だっただろ? シーズン途中でマリナーズと再契約してしまったが、そう出なければ、われわれは取りにいっただろう」
「イチローの年俸は格安」
「イチローのバランスの良さは、例えば彼がメジャーに来てから、群を抜いているかもしれないな。マーリンズが今、代打でしか起用しないのはもったいない」
そこは言っても始まらないところだが、実際、今のイチローなら、スタメンで使いたいチームがあるだろう。
トレード期限が8月1日午後4時(米東部時間)に迫るが、例えばリードオフマンが固定出来ないマリナーズなど、欲しい選手だ。
「ただ、マーリンズがトレードするとは思えない」とナ・リーグのスカウト。
「手放さないよ。来年のオプションもあるだろ? いつ行使を決めてもおかしくない。控えという役割を完璧にこなしているし、リーダーシップ、若い選手に与える影響まで加味すれば、イチローの年俸は格安だ」
イチローの今年の年俸は200万ドル(約2億1000万円)。来季に関しては球団がオプションを持つ。行使した場合の年俸は200万ドル。これなら確かに格安だ。