高校野球芸人と行く!初めての地方大会 カネシゲタカシの『ぷぷぷぷプロ野球』

カネシゲタカシ

左・トータルテンボス藤田憲右。右・カネシゲタカシ 【カネシゲタカシ】

『ぷぷぷぷプロ野球』でなにか特別企画をやりませんかと編集部からご提案いただいたので、全国高校野球選手権の地方大会を観に行こうと決めました。『ぷぷぷぷプロ野球』番外編、『ここここ高校野球』です。

 じつは僕、高校野球を甲子園球場で観たことはあるものの、地方大会はテレビ観戦以外経験なし。一度行ってみたいと思っていたので、ちょうど良い機会だなと。

 しかし、ただ行くだけでは面白くない。良い取材の切り口はないかと、高校野球大好き芸人としてお馴染みのトータルテンボス藤田憲右に相談したところ「じゃあ一緒に行きましょう」とノリノリの返事が。

 心強いナビゲーターとともに、行ってきましたよ地方大会!

出るわ出るわ企画の宝庫

 そもそも僕は漫画家としてデビューする前にお笑い芸人をやっておりまして、トータルテンボス藤田はその頃の後輩にあたります。ここ数年は一緒にバンド活動をやっているので、年中顔を合わせては野球の話で盛り上がる仲です。

 で、今回の観戦企画。なにか面白い取材の切り口はないかと彼に相談したところ、出るわ出るわ、次から次へと提案が。

「じゃあカネシゲさん、強豪都立を観に行くって企画はどうでしょう」

 都立高校? それは面白そう。でも「強豪」とはいえ私立には敵わない気が……。

「そんなことないですよ。例えば都立東大和には藤原涼くん(3年)っていう帝京相手に投げ合った注目の投手がいます。あと、都立昭和。ここは春2回戦で早稲田実業を破っています」

 え!? あの清宮(幸太郎)くんの早実に? 失礼しました。普段プロ野球ばかり観ている僕には新鮮な情報ばかり。

「そして第4シードの都立城東。言わずもがな“都立勢・悲願の甲子園1勝”に最も近いチームです」

 そ、そんなに強いの? ていうか、まだ都立高校って甲子園では勝ったことないんだ。いちいち勉強になるな。

「この城東には“都立の星”と言われるピッチャーの関根智輝くん(3年)がいるんで、上位進出が期待できますね」

 大阪出身の自分には聞き慣れない都立高校の名前がずらり。

 しかし、同じく公立高出身の自分としては「私立に負けない都立」という構図に燃えるものがあります。我が母校も公立だけど強豪だったんですよ。大阪府立市岡高校っていう帽子の三本線がトレードマークの……あ、僕は吹奏楽部でしたけどね。

大阪府立市岡高校のユニホーム。我が母校 【イラスト:カネシゲタカシ】

「あと第5シードの都立江戸川は、元プロ野球選手の伊達昌司さんがコーチを務めていました。いまは別の高校に異動されたみたいですね」

 おお、伊達昌司さん! 阪神の2000年ドラフト2位、即戦力の力投派投手だったことは覚えています。なるほど、プロアマの人材交流はどんどん進んでいるのか。

厳選なる企画会議でテーマ決定

「あと“2世選手を観に行く”っていう企画はどうでしょう?」

 え、2世選手? 誰の2世選手が出てるの?

「ヒロミさんとか、中山秀征さんとか……」

 そっちの2世かい! いや、俺はてっきりプロ野球選手の2世かと。

「すみません。ちなみにヒロミさんのご子息は成城学園に。中山秀征さんのご子息は青山学院におられます。野球部として強いのは成城学園のほうですね」

 なるほど、そういう切り口の取材も面白そう。

「あとこんな企画も思いつきましたよ」

 お、おう。どんどん出るね。

「高校野球の冊子には監督や部長のコメントがそのまま載ってるんですけど、それ読んでたらMAX130キロオーバーの投手とか山ほどいるんスよ。絶対そんなわけないんです。ハッタリなんです。なので球場にスピードガン持ってって、それ暴いてみません?」

 いや、球児相手に酷なことを! ……と思いつつ、スポナビ編集部に「スピードガンって借りられます?」と聞いたのはここだけの話。(※編集部注:すみません、スピードガンありませんでした……)

 とまあいろいろ案は出ましたが、ひとまず最初の「強豪都立を観に行く」というテーマに絞って、都立の星・関根投手率いる都立城東の試合をみることに決定。

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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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