【ボクシング】 ワイルダー、仕切り直しのV4戦 7.16アレオーラを地元で迎撃
WBC世界ヘビー級王者、デオンテイ・ワイルダーが4度目の防衛戦に挑む 【(C)NAOKI FUKUDA】
当初、ワイルダーは5月にロシアで試合を予定していたが、相手のドーピング違反が発覚したためキャンセルになった経緯がある。相手も場所も変えて行われるV4戦。鬱憤を晴らすような豪快なKO防衛が期待される。
3度目の凱旋防衛戦はKO期待
まだ同郷出身の偉大な王者には遠く及ばないものの、ワイルダーの活躍は目覚ましいものがある。身長201センチ、リーチ211センチ、体重103キロという細身の筋肉質の肉体から繰り出す破壊力満点の右ストレートを主武器に、8年間で35KOをマークしてきた。
昨年1月、33戦目に唯一の判定勝負を経験しているが、このときは引き換えにWBC王座を手に入れた。以後、3度の防衛では9回KO、11回TKO、9回KOと長丁場をこなし、スタミナも問題ないことを証明している。
4度目の防衛戦は5月21日にモスクワでアレクサンデル・ポベトキン(36=ロシア)を相手に行われる予定だったが、この元WBA王者がドーピング検査で陽性反応を示したため試合5日前になって中止になった。今回のアレオーラ戦は、そうした経緯で実現する試合だ。ワイルダーにとっては昨年6月の初防衛戦、9月の2度目の防衛戦に続いて3度目の凱旋防衛戦となるが、「みんながスリリングなKOを期待していることは承知している。それに応えたい」と意気込んでいる。
不穏なムードのヘビー級を一掃するか!?
一発で勝負が決することの多いヘビー級だけに予断は禁物だが、体格やスピードで勝るワイルダーの圧倒的有利は動かしがたく、前半のKO防衛も十分に考えられる。
アンソニー・ジョシュア(26=イギリス)がIBF王座を獲得したことで活気づいているヘビー級だが、一方でドーピング違反によってWBA王座が差し戻されたり、ポベトキンの挑戦が流れたり、さらには2団体のベルトを持つタイソン・フューリー(27=イギリス)が足首を負傷してウラディミール・クリチコ(40=ウクライナ)との初防衛戦を延期するなど、不穏なムードも漂っている。そんな空気をも一掃するような豪快なKO決着を期待したい。(Written by ボクシングライター原功)
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