【ボクシング】 ワイルダー、仕切り直しのV4戦 7.16アレオーラを地元で迎撃

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WBC世界ヘビー級王者、デオンテイ・ワイルダーが4度目の防衛戦に挑む 【(C)NAOKI FUKUDA】

 36戦全勝(35KO)という驚異的なレコードを持つボクシングWBC世界ヘビー級王者、デオンテイ・ワイルダー(30=米国)が16日(日本時間17日)、米国のアラバマ州バーミンガムで同級9位のクリス・アレオーラ(35=米国)を相手に4度目の防衛戦を行う。

 当初、ワイルダーは5月にロシアで試合を予定していたが、相手のドーピング違反が発覚したためキャンセルになった経緯がある。相手も場所も変えて行われるV4戦。鬱憤を晴らすような豪快なKO防衛が期待される。

3度目の凱旋防衛戦はKO期待

 アラバマ州タスカルーサ出身のワイルダーは08年北京五輪ヘビー級で銅メダルを獲得後、「ブロンズ・ボマー(銅色の爆撃機)」のニックネームを戴いてプロデビューした。これは「ブラウン・ボマー(褐色の爆撃機)」と呼ばれ、30年代から40年代にかけて25度の防衛を果たした元世界ヘビー級王者、ジョー・ルイスにあやかったものだ。

 まだ同郷出身の偉大な王者には遠く及ばないものの、ワイルダーの活躍は目覚ましいものがある。身長201センチ、リーチ211センチ、体重103キロという細身の筋肉質の肉体から繰り出す破壊力満点の右ストレートを主武器に、8年間で35KOをマークしてきた。

 昨年1月、33戦目に唯一の判定勝負を経験しているが、このときは引き換えにWBC王座を手に入れた。以後、3度の防衛では9回KO、11回TKO、9回KOと長丁場をこなし、スタミナも問題ないことを証明している。

 4度目の防衛戦は5月21日にモスクワでアレクサンデル・ポベトキン(36=ロシア)を相手に行われる予定だったが、この元WBA王者がドーピング検査で陽性反応を示したため試合5日前になって中止になった。今回のアレオーラ戦は、そうした経緯で実現する試合だ。ワイルダーにとっては昨年6月の初防衛戦、9月の2度目の防衛戦に続いて3度目の凱旋防衛戦となるが、「みんながスリリングなKOを期待していることは承知している。それに応えたい」と意気込んでいる。

不穏なムードのヘビー級を一掃するか!?

 挑戦者のアレオーラは43戦36勝(31KO)4敗1分2無効試合の戦績が示すとおりの強打者で、「ナイトメア(悪夢)」という異名を持っている。敗れはしたものの2度の世界挑戦を経験しており、キャリアという点ではワイルダーに劣っていない。厳しい戦いが予想されているアレオーラだが「私には失うものは何もない。得るものだけさ。彼の地元に乗り込んでの試合だが、自分のすべてを出すつもりだ」とリラックスした様子だ。
 一発で勝負が決することの多いヘビー級だけに予断は禁物だが、体格やスピードで勝るワイルダーの圧倒的有利は動かしがたく、前半のKO防衛も十分に考えられる。

 アンソニー・ジョシュア(26=イギリス)がIBF王座を獲得したことで活気づいているヘビー級だが、一方でドーピング違反によってWBA王座が差し戻されたり、ポベトキンの挑戦が流れたり、さらには2団体のベルトを持つタイソン・フューリー(27=イギリス)が足首を負傷してウラディミール・クリチコ(40=ウクライナ)との初防衛戦を延期するなど、不穏なムードも漂っている。そんな空気をも一掃するような豪快なKO決着を期待したい。(Written by ボクシングライター原功)
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