有利なのはロズベルグかハミルトンか F1シーズン半分終了、今後の展望は?

田口浩次

イギリスGPで優勝し、首位ロズベルグへ1ポイント差に迫ったハミルトン 【Getty Images】

 2016年シーズンは第10戦のイギリスGPを終えた。イギリスGPでは、ちょっとしたハプニングがあった。決勝レース2位でフィニッシュしたメルセデスのニコ・ロズベルグだったが、47周目にギヤが7速で固定されてしまうトラブルが発生。その時にピットからマシン操作の指示を受けたとして、レース後に10秒加算ペナルティを受けて3位となってしまったのだ。

 これは、新たに取り入れられたルールで、ドライバー自身がマシン操作をしなければならず、ピットからマシンのパフォーマンスを変更させるような指示を加えてはいけないとしている。

 レース後のインタビューで、まだ裁定が決まっていない段階だったが、ロズベルグは3位降格の可能性を認めていたので、あの操作はペナルティを受けてでも表彰台を獲得したいという強い思いがチームにあったのだろう。

 ちなみに、その無線内容は、ハミルトンが「ギヤボックストラブル!」と伝えると、ピット側からは「ドライバーデフォルトにして、1、0、1に。シャシーデフォルトにして、0、1に。シャシーデフォルトにして、0、1に!」という、まるでゲームのコマンド入力を思わせる内容であった。いかに多くの電子制御デバイスが現在のF1マシンには集約されているかがわかる今回のハプニングであった。

先行ロズベルグを追い上げるハミルトン

 さて、今シーズンは年間21戦を予定しており、夏休みに入るまでにハンガリーGP、ドイツGPが残っているが、シーズン前半という意味では、今回のイギリスGPまでの結果は、まさに半分と言える。

 現在のポイントランキングは1位がニコ・ロズベルグで168ポイント、1ポイント差の2位にルイス・ハミルトンがつけている。ランキング3位はフェラーリのキミ・ライコネンで106ポイントと、上位に大きく差をつけられている。今シーズンのチャンピオンシップ争いは、3年連続でメルセデスの2台が争うことになったと断言してかまわないだろう。

 前半戦を振り返ると、第1戦オーストラリアGPから第4戦のロシアGPまでをロズベルグが4連勝しチャンピオンシップを大きくリード。しかし、第5戦スペインGPで、メルセデスの2台が1周目に接触リタイアという衝撃的なレースを終えると、潮目が完全に変わった。

 第6戦のモナコGP、第7戦カナダGPとハミルトンが連勝。第8戦のヨーロッパGPはロズベルグが制するも、第9戦オーストリアGP、そして第10戦イギリスGPとハミルトンが勝利した。ここまでの10戦でロズベルグ5勝、ハミルトンが4勝となり、ポイント差も1ポイントと、まるでチャンピオンシップ争いがリセットされたような状態だ。

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