【シードリング】 20周年を迎えた高橋奈七永の本音 次の目標は「世界一強い女になる!」

佐瀬順一

20年目の区切りを里村との試合で見せる

20周年の試合は区切りでしかない。21年目へのステップアップにすると話す 【スポーツナビ】

――そういう意味では20周年記念試合は、お祝いムードよりも闘いを感じさせるカードですね。世志琥選手の復帰の際に異を唱えた里村明衣子選手がDASH・チサコ選手が組んで、奈七永選手は世志琥選手とタッグを組んでの対戦となります。

(世志琥の復帰に関して)何を言われても仕方がないって思っていましたよ。でも私と田中(将斗)選手の試合がああいう試合だったからこそ、彼女の気持ちが動いたっていうのが一番大きなこと。そこに「筋が通ってない」とか言われても……。

――里村選手は「もし復帰するなら、シードリングと関わることはないと思う」と発言していたので、てっきりシードリングと仙女が関わることはもうないと思いきや、里村選手側から「正々堂々と復帰したなら、正々堂々と仙女のリングにも上がってきてほしい」と対戦要求されました。

 どこから目線なんだよって思いましたよ! 嫌な思いをさせてすみませんねって思ってましたから、関わらなければいい! なのに世志琥が復帰して歓迎ムードがあったからって、近づいてくるのは調子がよくない? 何かのインタビューで「それをビジネスにさせてもらう」みたいなことを言ってたんですけど支離滅裂ですよ!

――逆に奈七永選手が仙女とはもう関わらないということもできたと思います。せっかくの20周年ですから縁のある選手を呼んでメモリアルマッチをやるという方法もあったと思うのですが。

 20周年っていうふうに考えると、記念の試合にはまったくならないカードですね。でも20周年だからこれをやろうとかよりは、シンプルにシードリングの通常の大会でいいじゃんっていうのが結構あって。何かそのほうが自分にとって意味があるなって思うんですよ。一連の発言や試合を見て里村選手に魅力を感じなくなったんですけど、この闘いが見たいというお客さんがいるのも分かっていた。だけど今は高橋奈七永がすごすぎて、一緒のリングに立ったら里村明衣子が霞むと思いますよ。それをここでキッチリ見せてやろうと思います。

――もしかしたら里村選手との対戦は今回が最後になるかもしれない?

 小さなところにこだわるのではなく、もっと世の中に女子プロレスがあるんだということを届けたいんですよ。だからもっと大きなものを見ていきたい! なので、20年目の区切りをこの試合で見せて、次のステップに行けるような闘いにしたいですね。

異種格闘技戦をやってもいい

21年目を迎え、目指すのは「世界一強い女」。いつまでも貪欲に強さを求めていく 【横田修平】

――大きなものと言えば、先日記者会見で21年目の目標として「世界一」を掲げていましたが。

 世界一強い女になる!

――おぉ! 具体的にどうやったら世界一強い女になれるとお考えですか? 先ほど世の中に女子プロレスを届けないとおっしゃってましたが、例えば最近再び注目されているアントニオ猪木vs.モハメド・アリのような……

 まさにそうです! 場合によって異種格闘技戦をやってもいいと思っていますし、そういう今プロレスファンじゃない人たちが「何この試合!? 見たい!」って思うようなことをやりたいなっていうのはありますね。

――それだと例えば吉田沙保里選手と対戦するとかですかね? あとは浜口京子選手とかシュートボクシングのRENA選手とか。

 そうです! 全部言ってくれた(笑)。シードリングをやってみて、良くも悪くもプロレス界の出来事はどんなに話題になっても、プロレスの枠からなかなか飛び出せないことを認識しましたね。前の団体を辞めたときに、頑張っている選手がほかにもたくさんいることを知ったんです。でも頑張っているだけじゃダメだし、伝わっていなければ意味がないとまでは言わないけど切ないんですよ。もちろん、今いるファンの方たちに支えられているっていうのは十分わかるし、ありがたいと思っているんですけど、私は全女でもっと大きなものを巻き込んできた世界を見てきたので、それを今につなげるのが自分の役目なのかなと思っています。

――高橋奈七永が世間を巻き込むような大勝負に出ることを期待しています!

 私、一応WWWAの赤いベルトの最後のチャンピオンだったんですよ。そこがどうとかではないんですけど、そういう誰もが認める強い女の称号を獲りにいきますよ!

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