【ノア】矢野丸藤が鈴木軍を破りV2に成功 原田、拳王、石森がJ−CUP出場決定

高木裕美

矢野丸藤が鈴木軍からベルトを死守しV2成功 【横田修平】

 プロレスリング・ノア「Navig. with Emerald Spirits 2016」最終戦となる5日の東京・後楽園ホール大会では、825人を動員した。

 メインイベントのGHCタッグ選手権試合では、王者組の矢野丸藤こと丸藤正道、矢野通組が、鈴木軍の鈴木みのる、飯塚高史組を退けV2に成功。次期挑戦者には中嶋勝彦、マサ北宮組が名乗りを上げた。

矢野丸藤が反則のお返しでベルト死守

鈴木軍の横行で丸藤がテーピングで動きができない時間もあったがなんとか脱出 【横田修平】

 鈴木軍は8人のセコンドを引き連れ、総勢10人で登場。対する王者組は1人もセコンドをつけず。10対2の状況に、矢野は試合を放棄し、早くも帰ろうとする。試合開始のゴングが鳴らされても、圧倒的な鈴木軍ペース。開始5分にして丸藤が鉄柵にテーピングで張り付けにされ、孤立した矢野が鈴木軍のリンチにあう絶望的な状況が続く。だが、ようやく10分過ぎにノア勢が大挙してリングに駆けつけ、鈴木軍のセコンドを排除。丸藤もようやく解放されるが、なおも鈴木軍は噛み付きや凶器攻撃などのラフファイトを続行。さらには退場したはずのデスペラードとタイチも舞い戻ってきて、もはやこれまでかと思われたが、ここで矢野が本領発揮。みのるを場外に張り付けにすると、セコンド2人には急所攻撃。飯塚は両手を手錠でロックし、動けなくなったところへ丸藤が虎王を炸裂。鈴木軍のお株を奪う反則オンパレードでベルトを死守した。

 勝利した矢野丸藤の前に現れた中嶋は、「G1、出るからにはでっかいお土産、持って帰りましょう」と、今月20日に開幕する新日本プロレスの真夏の祭典「G1クライマックス」での健闘と、タッグ王座への挑戦を表明。しかし、丸藤も「このベルトを防衛するのはオレたち。そして、G1を優勝するのもこのオレだ。おまえたち、オレたちのさらなる化学反応を楽しめ」と、矢野丸藤が真夏の新日本マットもかき回すと予告。矢野も「G1決勝で会うのは」「矢野丸藤!」の特別バージョンで観客とかけ合いを繰り広げた。

潮崎と杉浦が前哨戦から火花

潮崎と杉浦は早くも前哨戦で激しい戦いを見せる 【横田修平】

 30日の後楽園大会でGHCタッグ王座を争う潮崎豪と杉浦貴が8人タッグマッチで前哨対決。5.28大阪以来、2カ月ぶりの一騎打ちを前に、激しい火花を散らした。

 鈴木軍はゴングを待たずに奇襲攻撃。潮崎と杉浦は場外でチョップ合戦を繰り広げ、潮崎が逆水平チョップを打ち込むと、杉浦もお返しとばかりに鉄柵に振って、ストンピング、イス攻撃。リング上でも潮崎は気迫のこもった逆水平チョップを連発し、さらにショルダータックル、串刺しチョップ2連発からブレーンバスター。杉浦も串刺しハイキック、ヒザ蹴りから雪崩式ブレーンバスターで返し、エルボーと逆水平チョップの打ち合いから杉浦がフロントキック、潮崎がドロップキックで両者ダウンとなる。

 試合は中嶋勝彦がシェルトン・X・ベンジャミンを高角度後方回転エビ固めで丸め込み、3カウントを奪取。だが、敗戦に収まらない杉浦は、パイプイスを手に、すぐさまメインのセコンドとして再登場。試合中、潮崎が矢野丸藤の救出に飛び込んでくると、再び激しく打撃戦でやり合った。

J−CUPに向けそれぞれが優勝宣言

原田が大原を破りスーパーJカップの権利を獲得 【横田修平】

 7.20後楽園で開幕する「SUPER J-CUP2016」に向け、原田大輔、拳王、石森太二の3選手が出場権を獲得。それぞれが優勝への意気込みを語った。

 原田はトーナメント決勝戦で大原はじめと対戦。大原のジョン・ウー、ムイビエンを食らいながらも、フィンランド式フォアアームをカウンターのヒザ蹴りで迎撃し、ニーアッパー、片山ジャーマンスープレックスで勝利。「J−CUPで優勝するのはこのオレ。ヘビー級を超える試合をしていく」と、結果だけではなく、内容面でも他を圧倒すると誓った。

拳王は新崎人生に扮した平柳玄藩を退け、スーパーJカップへ 【横田修平】

 拳王は平柳玄藩ならぬ“平柳人生”と対戦。拳王をプロレス界にスカウトしたみちのくプロレス時代の師匠・新崎人生を真似し、体中にマジックペンで経文を書きなぐった平柳は、人生ばりの念仏パワーボム、拝み渡りを狙うも、拳王がことごとく阻止。セコンドのキャプテン・ノアの介入もモノともせず、蹴暴からの羅喉で一蹴すると、「J−CUP、いろんな団体のクソ野郎どもがいる中で、ノアのとてつもない魅力をアピールできるのが拳王だ!」と、全プロレスファンが注目する大舞台を最大限に利用すると息巻いた。

石森はベテラン小川との初シングルを制し、出場権を獲得 【横田修平】

 石森は大ベテランの小川良成と激突。小川は石森の最大の武器である機動力を削るべく、徹底したヒザ攻めに出るも、石森はドロップキックで吹っ飛ばして意地を見せると、なおも急所蹴り、バックドロップ、逆片エビ固めと粘る小川をハンドスプリングキック、串刺しダブルニーからの450°スプラッシュで振り切った。

 ノア入団から約10年にして初めて実現した小川とのシングル戦で勝利できた喜びを噛み締めた石森は、「出場するのは当たり前。オレが出るからには優勝しかない」とキッパリ。「素晴らしさ、すごさを見せ付ける」と、誰もが勝利に納得できるほどの圧倒的な強さで優勝をもぎ取ると宣言した。
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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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