大阪桐蔭・根尾、報徳学園・小園らに注目 100回大会の主役へ――逸材1年生ずらり

松倉雄太

145キロのストレートを武器に、1年生ながら強豪・大阪桐蔭高のベンチに入った根尾 【松倉雄太】

 第98回全国高校野球選手権地方大会が今週後半から各地で本格化する。今年入学したばかりの1年生は、2000年4月〜01年3月に生まれで、3年生となる2年後の第100回記念大会の主役となる世代。そんな100回記念大会の主役になりそうな何人かが早くもこの夏、デビューする。関西を中心に100回大会まで2年間、話題になりそうな選手を探ってみたい。

デビュー戦で145キロ計時した根尾

 大阪桐蔭高(大阪)の根尾昂(あきら)と藤原恭大は、6月に行われた沖縄と香川の招待試合でデビューし、夏の大阪大会のベンチ入りメンバーに入った。

 176センチ74キロの右腕・根尾は香川での小豆島高戦で、初めて公式試合でのマウンドに立った。0対0の4回1死満塁のピンチで、西谷浩一監督が「この状況でどれだけできるか」とリリーフ送り出したが、暴投で与えた1点のみに抑えた。球速表示のあるレクザムスタジアムのスピードガンで最速145キロを計測し、場内がざわついた。その後も平均的に140キロ台の直球を披露し、スライダー、カーブを織り交ぜたピッチングで3回3分の2を投げて7奪三振と上々のデビューを果たした。流れを変える雰囲気を持った選手で、野手としてのセンスも見せる。

 飛騨高山ボーイズ時代には2015ジュニアオールジャパン(NOMOジャパン)のメンバーで活躍。同時に昨年、青森で行われたアルペンスキー回転の全国中学生大会で、合計タイム1分34秒02で優勝するなど野球以外の素質の高さも見せてきた。学業でもトップクラスの成績で進学。「野球ノートには、しっかりとよく書いている。こちらが読むのが大変なくらい」と西谷監督は根尾のまじめな性格の一端を話す。背番号18で迎える初めての夏。ドラフト候補左腕・高山優希(3年)ら投手陣は豊富だが、2年後の100回記念大会まで期待を抱かせるピッチングを楽しみにしたい。

幻の先頭弾でアピールした藤原

 179センチ77キロ、左投げ左打ちの藤原は沖縄での豊見城高戦で1番中堅手として起用され、先頭打者本塁打を放った。残念ながら雨天ノーゲームとなり本塁打は幻となってしまったが、右サイドスローの相手投手から右翼席への一発は十分なインパクトを残した。枚方ボーイズでは後述の報徳学園高に進んだ小園海斗とともに俊足の1、2番としてコンビを組んだ。大阪桐蔭高では外野陣の競争が激しいが、割って入れる存在になってくればおもしろい。

1/2ページ

著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント