【WWE日本公演】中邑が凱旋試合連勝でWWE無敗記録更新 “バレットクラブ”復活に両国は大興奮 

高木裕美

急きょAJ、アンダーソン、ギャローズがタッグ結成

【横田修平】

 新日本プロレスで一世を風靡したバレットクラブが、「THE CLUB」として登場。AJスタイルズ、ルーク・ギャローズ、カール・アンダーソンがトリオを組み、ジョン・シナ&ウーソズ(ジミー・ウーソ、ジェイ・ウーソ)組と対戦した。

 当初はシナ対AJのシングルマッチと、ウーソズ対アンダーソン&ギャローズ組のタッグマッチとして発表になっていたが、直前になってカードが変更。最初にTHE CLUBの3人、次にウーソズが登場し、一瞬の静寂の後、シナのテーマ曲が流れ出したため、予期せぬ展開に観客は大興奮。AJへの「AJスタイルズ」とシナへの「Let's Go CENA! CENA Sucks!」、そして「バレットクラブ」のチャントが交錯すると、両軍とも観客へのアピ ールを繰り返した。

【横田修平】

 ウーソズは双子ならではの息の合ったダンスを見せると、AJも腰をクネらせ、今度はシナを指名。シナ、そしてアンダーソン&ギャローズも踊りを披露する。シナは3人に襲い掛かり、横に並べてダウンさせると、3人同時のトリプル・ファイブ・ナックル・シャッフル。シナのアティチュード・アジャストメントを阻止したAJがスタイルズクラッシュを決めるも、ウーソズがカットに入り、すかさず2人同時にトペスイシーダ。まだダウンしたままのシナの寝首をかこうとしたアンダーソンだが、シナはガンスタンをブロックすると、アティチュード・アジャストメントで仕留めた。

 勝ち名乗りを上げたシナだが、「オレはバレットクラブをリスペクトしている」と、日本のみならず世界にも名をとどろかせたTHE CLUBに敬意を表し、リングを締めるよう指示。THE CLUBの3人が四方に向かって礼をすると、客席からは「バレットクラブ」のチャントが起きた。

NXT女子王者アスカが連夜の防衛

【横田修平】

 NXT女子王者のアスカ(華名)はベッキー・リンチを退け防衛に成功した。アスカは04年にAtoZのリングでデビュー。一度は体調不良で引退しながらも復帰すると、様々な副業も行いながら徐々に女子プロレス界で頭角を現し、10年からは自主興行も開催。型にはまらない言動や独自のスタイルで異端児的な存在となり、昨年、WWEからのスカウトを受けて入団を果たした。

 大歓声と黄色い紙テープに迎えられたアスカは、まずはクリーンにベッキーと握手。ローキックから場外へのヒップアタック、串刺しヒップアタックを繰り出し、さらにエビのようにリズミカルに後退しながらベッキーに尻を押し付け、卍固めで捕獲する。ローリングソバット、ヒザ蹴り、ジャンピングキック。ベッキーもフィッシャーマンバスター、バックドロップを繰り出すが、アスカがスピンキックからのアスカロックで勝利。試合後、ベッキーと抱き合って健闘をたたえ合ったアスカは、コーナーに上がってベルトを見せつけ、誇らしげな笑顔を浮かべた。

アンブローズ「スモーアリーナで防衛したぞ」

【横田修平】

 WWE世界ヘビー級王座戦では、王者ディーン・アンブローズが、トリプルスレット戦でセス・ロリンズ、クリス・ジェリコと対戦。かつてはWAR、新日本などで活躍し、今回が実に47回目の来日となるジェリコは、大「Y2J」コールで迎えられると、それに応えるようにライオンサルト、ウォールオブジェリコなどを炸裂。だが、王者アンブローズも掟破りの逆ウォールオブジェリコを見せると、ジェリコはならばと2人にダブルのコードブレーカー。しかし、直後にアンブローズがダーティーデイズを叩き込み、3カウントと主役の座を奪った。
 防衛に成功したアンブローズは、マイクを握り、「最高のベルトをスモーアリーナ(両国)で防衛したぞ」と訴えた。

ニュー・デイ、シャーロットが王座防衛

【横田修平】

 WWEタッグ王座戦では、王者組のニュー・デイ(コフィ・キングストン&エグザビアー・ウッズwithビッグE)が、ボードビレインズ(サイモン・ゴッチ&エイダン・イングリッシュ)を退け防衛に成功。ビッグEが波動拳を出すなどして客席を沸かせ、最後は合体のヒザ蹴りで勝負を決めた。
 WWE女子王座戦では、リック・フレアーの娘シャーロットが、名門ハート・ファミリーのナタリアを仕留め防衛に成功した。
 ナタリアは祖父にスチュ・ハート、父にジム・ナイドハートを持つ3代目プロレスラー。父親譲りのフレアーウォークを見せたシャーロットに対し、ナタリアもロメロスペシャルで対抗。またしても父親の必殺技フィギュアフォーレッグロックを出したシャーロットに対し、リバースで逆にエスケープさせると、ハート一門の誇りを見せ付けるかのようなシャープシューター。これに対し、シャーロットはロープをつかんだままのフォールなど、小ずるい手も見せながらも、フィギュアエイトでギブアップを奪ってみせた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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