夏の間にランニングフォーム改善! 今こそ見直したいカラダの「向き」と「バランス」
ランニングフォームを客観的に確認する
【三河賢文】
フォーム改善に向けた4つのポイント
【三河賢文】
1)左右の筋力バランス
利き腕・利き足などの関係もあり、左右で筋力が大きく違っている方がいます。体組成計などで計測すると分かりますが、この筋力バランスはランニングフォームにも大きく影響するもの。どうしても筋力が強い方に頼ってしまい、後ろから見ると斜めに傾いたフォームで走っている方が少なくありません。これは上半身も同様。腕振りが片方だけ力強いというランナーは、上半身の筋力バランスが偏っている可能性があるでしょう。
例えば左脚にばかり頼って走れば、左過重となって怪我の原因にもなります。「長く走っていると、一方の脚だけが疲れてしまう」「いつも一方の足ばかり怪我している」という場合、このバランスが崩れているかもしれません。弱い方を強化することによって、このバランスを整えましょう。バランス良く走れるということは、つまり左右両足の筋肉をまんべんなく使えるということ。ランニング効率が高まるはずです。
2)着地位置
踵からのヒールストライク、足の裏全体でのミッドフット、そしてつま先側でのフォアフットなど、着地位置についてはいろいろな見解があります。結論から言えば「自分がもっとも自然に走れる」ものが良いと考えていますが、私の場合はこれが「ミッドフット」です。
【三河賢文】
では、ミッドフットはどうなのか。足の裏全体で着地するので、地面から受ける衝撃は分散されます。このとき、しっかり身体を前傾にし、体軸をまっすぐに保つことが大切。その状態で身体の真下に着地すれば、恐らく自然とミッドフットになるでしょう。ただしフォームが崩れると、足裏と地面とで摩擦が生まれてしまいます。「ザッ、ザッ」という着地音が聞こえたら、フォームが崩れているサインです。
3)着地後動作
着地位置に加えて、着地後の動作についても触れておきます。しっかり前傾を維持してミッドフットで着地した場合、次の瞬間には踵が地面を離れているはずです。最後につま先が残るわけですが、地面を「蹴る」のではなく「押す」ようなイメージで動いてみてください。着地で生まれた地面との反発を押し返します。
その後はストライドを後ろへと伸ばし、足首を緩めましょう。足首を緩めると脹脛の筋肉が休憩状態になり、疲れにくくなります。脹脛は小さな筋肉なので、常に緊張した状態では最後までもちません。そこでストライドを伸ばすことにより、脹脛の休憩中はお尻や腿裏の筋肉に働いてもらうのです。地面を押した後に踵を上げるようなイメージで走れば、大きなストライドが生まれてきます。
4)脚の開きによる“捻じれ”
結論から言えば、つま先(さらに膝、腰、上体などカラダ全て)の向きは進行方向に向けるようにするのがオススメ。前へ走るのに対して着地時につま先が外側へ向いていると、瞬間的に足首が捻られてしまいます。そしてこの捻じれは膝にも繋がり、腸脛靭帯炎など怪我の原因になることも。試しに立った上体で、つま先を思い切り外側に向けてみてください。きっと、足首や膝に起きている“捻じれ”を感じられるはずです。これは内股の方も同様ですので、まずは立位、あるいは歩行時からつま先の向きに気を配り、矯正していくと良いでしょう。