笹倉康誉、「11番」の葛藤とプライド 「まだ全然満足はしていません」
本来はFBも、WTBでの起用が続く
多彩なスキルが高く評価されている日本代表・笹倉 【写真:赤坂直人/スポーツナビ】
トライゲッターの代名詞とも言える背番号「11」を背負った日本代表・笹倉康誉は、スコットランド代表に16対21で敗れた後、ミックスゾーンで言い切った。パナソニックでは15番のFBが定位置だが、今季はスーパーラグビーのサンウルブズでもWTB(ウイング)としての出場が続いている。
日本代表のFBは、昨年のワールドカップ(W杯)で活躍した五郎丸歩が右肩を脱臼。同じW杯組の松島幸太朗はスコットランドとの第1戦(18日、13対26で敗戦)で左太ももを痛めて戦列を離れた。
「スコットランドとの第2戦で、FBに誰を起用するのか?」。注目が集まる中でマーク・ハメットHC(ヘッドコーチ)代行が選んだのは帝京大4年の松田力也。笹倉はこの試合でもWTBとしての出場となった。
国際舞台ではフィジカルで苦戦
日本代表vs.スコットランド代表の第2戦。互いに熱くなるシーンも 【写真:赤坂直人/スポーツナビ】
「フィジカルを重要視してくると思うんです。僕は細い(186センチ、88キロ)ですし、日本代表として外国人相手に結果を残してきたわけでもないので、『コンタクトに弱い』と思われて起用されない可能性はあると思っています」
実際にサンウルブズでは12試合中、8試合の出場にとどまり、FBでの先発は1試合。そして、トップレベルの外国人選手と戦う中で、笹倉自身も課題を感じていた。
「やはりフィジカルで苦戦しました。スーパーラグビーの強度は初めてだったので最初はきつかったですね。それでも、トレーニングで体重が増えて、コンタクトにも慣れてきて、自信がつきました」
サンウルブズにとって初勝利となったジャガーズ戦でトライを奪うなど、WTBとしてもステップアップしていた。