捕手は固定すべき? 併用すべき?
併用にメリットも名捕手は生まれず
昨季から正捕手に定着、今季も両リーグ最多の72試合でマスクをかぶるヤクルト・中村(右)
昨季から正捕手に定着、今季も両リーグ最多の72試合でマスクをかぶるヤクルト・中村(右)【写真は共同】

 2016年プロ野球。今シーズンの戦いぶりを見つめ直した中で気が付くのが、各球団の捕手の起用法である。「扇の要」とも称される重要なポジションであるが、今季は2人以上の捕手を併用しているチームが目立っているのだ。正捕手は固定すべきか、それとも併用する方がいいのか。その疑問を、あらためて問いたい。

固定できているのは5球団

 日本プロ野球の歴史において、シーズン全試合フルイニング出場を果たした捕手は、1963年の南海・野村克也、2003年の福岡ダイエー・城島健司の2人のみ。肉体的にも精神的にも大きな負担を強いられる役割であるが故に、長いシーズンを戦い抜くためには適度な休養も必要になってくる。


 今季も過去の例に漏れず、ここまで全試合スタメンだけでなく、全試合に出場した捕手も0人。6月26日終了時点での各球団のスタメンマスクの試合数を見ると、最も多いのが72試合の東京ヤクルト・中村悠平で、次いで65試合の巨人・小林誠司。以下、千葉ロッテ・田村龍弘(59試合)、横浜DeNA・戸柱恭孝(59試合)、埼玉西武・炭谷銀仁朗(57試合)と続く。


 数字上から、以上の5選手は「正捕手」と言っていい。「不動の」とまでは行かずとも、それに近い存在だと言える。本来ならば東北楽天・嶋基宏もこのグループに属するはずだったが、5月に左手を骨折して戦線離脱し、今季スタメン37試合止まり。新人の足立祐一(22試合)のほか、川本良平(4試合)、小関翔太(3試合)らが穴を埋めている状態だ。そして、ここに挙げた6球団以外は、2人以上の捕手を“併用”しながらシーズンを戦っている。

捕手併用の理由は?

 激しい正捕手争いが繰り広げられる中、開幕から“捕手併用”を貫いているのは、福岡ソフトバンク、北海道日本ハム、オリックス、広島、中日、阪神の計6球団である。


 交流戦でも圧倒的な強さを見せ付けたソフトバンクは、開幕当初は期待の23歳の斐紹と昨季ブレイクした34歳の高谷裕亮の2人が交互にスタメンマスクを被っていた(斐紹10試合、高谷24試合)が、5月に入ってからは攻守に安定感のある鶴岡慎也がスタメンとして継続的に起用(35試合)されている。その他、若手の拓也も控え、6月19日には2軍で調整してきたベテランの細川亨が1軍に昇格。正捕手争いは再び激化しそうな気配だ。


 一方、セ・リーグの首位を走る広島は、熟練のリードが光るベテラン・石原慶幸が43試合で、パンチ力のある打撃が魅力で昨年侍ジャパン入りも果たした會澤翼が23試合、さらに23歳の磯村嘉孝が8試合と続く。こちらは選手の調子うんぬんではなく、ジョンソン、黒田博樹の登板時は石原、福井優也、戸田隆矢には會澤、中村恭平には磯村といった具合に、その日の先発投手によってスタメン捕手もローテーションで回している。


 同じように、日本ハムでは大野奨太が今季45試合でスタメンマスクを被っているが、2番手の市川友也が有原航平とのコンビで結果を残しながら25試合にスタメン出場している。中日も若松駿太の登板時は杉山翔大、大野雄大の登板時は桂依央利がスタメンマスクをかぶり、ここまで杉山が42試合、桂が31試合と完全に併用の形。阪神は原口文仁が急成長してここまで36試合でスタメンマスクをかぶっているが、梅野隆太郎も21試合、岡崎太一も15試合でスタメンマスクを務めている。

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