ユーロ3会場の芝問題、ついに解決!? 問題視されるピッチコンディション

宮本あさか

芝の入れ替え料を値切ったリール

決勝トーナメントを前に芝の張り替えが行われたリールのスタッド・ピエール・モロワ 【Getty Images】

 リール側にも落ち度はあった。『ジョルナル・デュ・ディモンシュ』紙がすっぱ抜いたところによると、35万ユーロ(約4000万円)の芝の入れ替え料を値切りに値切って、20万ユーロ(約2300万円)までまけさせたとのこと。おかげで芝の質は少々落ちた。移送費も大幅にカットされ、芝の到着が遅れた上に、冷蔵トラック内で、半分凍って根腐れてしている芝さえあったらしい。6月12日に行われたドイツ対ウクライナの直前には、緑色の塗料をスプレーして、芝の状態をカモフラージュしたことも。テレビ映りは良くなるが、もちろん芝の育成には悪影響だった。

 フランスサッカー連盟会長のノエル・ルグラエも、リールの態度を厳しく批判した。

「リール(の芝)は完全なる失敗だ。誰の責任か? UEFAのせいか、それともクラブのせいか? 芝は最上質のものではならない。それほど高いものではない。ハイレベルの芝がなくて、どうやってフランスサッカーを世界に売り出せるというのか。もしも自治体が支払えないというなら、クラブが支払うべきだった」

 6月27日にイングランド対アイスランドが行われるニースや、準々決勝と準決勝を1試合ずつ受け入れるマルセイユに関しては、それでも、芝の状態は少しずつ良くなっている。

 リールは6月26日にドイツ対スロバキアを、さらに7月1日に準々決勝を迎え入れるが、もはや手の施しようがなくなった。6月23日には、緊急の救済策として新たに芝を張り替えた。今度はオランダから届いた芝を使用しているという。また、ユーロ後には完全に芝を作り直す予定だ。次は、滑ったり転んだりの極めて少ない、リヨンやボルドー、サンテティエンヌ、トゥールーズで使用されているハイブリッド芝で、心地よくプレーできるピッチ作りを心掛けていくという。

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