前マーリンズ監督が語るイチローとの日々 GMとして交渉し“投手イチロー”も実現

丹羽政善
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イチローがマーリンズに入団した時はGMとして獲得に動いた。右端がジェニングス氏 【Getty Images】

「マーリンズ・イチロー」を実現させたのが、昨年5月17日(現地時間)までマーリンズのGM(ゼネラルマネージャー)を務め、翌18日から監督に就任したダン・ジェニングス現ナショナルズGM補佐兼スカウトである。

 イチローがデビューした2001年、ジェニングスはレイズのスカウトを務めており、同じア・リーグということもあって、「度々、見る機会があった」。その時から、「彼のような選手が欲しいと思っていた」そうだ。
 
 14年のオフ、イチローがフリーエージェントになるとジェニングスは早い段階から大リーグ通算3000安打にあと156本に迫っていたイチローを補強候補に挙げた。実現したのは15年1月のこと。今回、その交渉過程の一端を明かしてくれた。
  ※   ※   ※

――イチローとの契約は驚きだった。

 あのオフ、私はイチローが欲しかった。チームは若い。戦力ということに加えて、彼の存在感がチームに必要だと思ったからだ。他のフロントオフィスのメンバーにも異論はなかった。ただ、こちらとしては条件が2つあった。マーリンズの外野には、ジャンカルロ・スタントン、クリスチャン・イエリッチ、マルセル・オズーナの3人のレギュラーがいるので、イチローが第4の外野手を受け入れてくれるかどうか、ということだった。
 
――イチローはどう受け止めた?
 
 あるとき、電話会議を行った。私とイチロー本人、ジョン・ボッグス(イチローの代理人)、ジェフリー・ローリア(マーリンズのオーナー)、マイケル・ヒル(編成本部長)の5人が参加したが、あのときイチローは、『僕ももう40歳です。(その役割でも)問題ない』と言ってくれた。それで1つ目の条件がクリアになったわけだ。結局、けが人が続出して、イチローの出場試合数はチーム最多だったわけだが、われわれはとにかく事前に役割を説明することこそ、イチローを獲得する上で彼に敬意を示すことになると考えた。あれだけの選手だ。うやむやなまま契約できない。イチローが起用法を納得したうえで、来てくれなければ意味がなかった。

――2つ目は?
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著者プロフィール

丹羽政善

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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