誤審騒動連発 もう審判はいらない!? カネシゲタカシの『ぷぷぷぷプロ野球』

カネシゲタカシ

【イラスト:カネシゲタカシ】

 判定を巡るトラブルが目立つシーズンです。

 19日の中日対北海道日本ハム戦では中日の谷繁元信監督が内野安打などの判定をめぐり3度の抗議に出るも判定は覆らず。球団は日本野球機構(NPB)に意見書を提出することとなりました。谷繁監督は「そこに関しては僕が言うといろいろあるんで」と言葉を控えたそうですが、僅差で敗れたこともあり、内心は怒り心頭だったことでしょう。

 また同じく19日の東京ヤクルト対埼玉西武戦でも、一塁の判定をめぐってヤクルト・真中監督が2度の抗議に。試合後はなんと一塁塁審の実名を挙げて「あまりにもひどい。勉強してほしい」と辛辣(しんらつ)なコメントを残しました。

 いよいよビデオ判定をもっと広範囲に適用すべき時期ではないでしょうか。

観衆の目が審判の目を追い越している

“誤審”が続出する原因として審判の質が落ちているのでは、という説があります。これは実に検証の難しい問題。少なくとも僕のような素人が簡単に言及できるテーマではありません。

 しかし、映像技術の進化で以前よりもリプレー検証が容易になり、相対的に審判員の質が落ちたように見える、ということはあるでしょう。とくにテレビ中継やインターネットを見るファンの目には。

 多角度からの鮮明な映像は当たり前、ときにハイスピードカメラまで導入される昨今のテレビ中継において、従来見逃されていた誤審もそうはいかなくなりました。またネット上ではファンの手で切り出された“検証動画”が瞬時に拡散され、いつでも何度でもチェック可能。いわば観衆の目が、審判の目を完全に追い越してしまっているというのが実情というわけです。

審判に課せられた使命とは?

 審判という役職に課せられた使命を簡単に定義するなら「可能な限り正確にプレーをジャッジし、試合を円滑に遂行させること」となるでしょう。

 この「可能な限り」を文字通り追求すれば、おのずと「可能な限りビデオも使おうか」となるのが自然です。以前のコラムでも書きましたが、もしも野球という競技が21世紀に発明されていたら、我々は何のちゅうちょもなく、あらゆる場面にビデオ判定を取り入れていることでしょう。

 しかし先ほどの定義にあるように、審判には「試合を円滑に遂行させる」という、もうひとつの重大な使命があります。

 たとえば今年からNPBは本塁クロスプレーでのビデオ判定を導入。それはコリジョンルール適用に関係のない、タイミングの判定やタッチ判定にも導入されています。それによりしばしば試合が中断されて「興ざめだ」ということは確かにあります。

 しかし「円滑に」の努力目標は、ただ時間のことを言っているのではありません。競技者と観衆の気持ちに引っかかりがなく円滑かどうか、納得をもって競技を続けられるかどうかという意味の円滑も含まれているのです。

 うやむやなままに「はいはい、時間ないから抗議はNG。先を急ぎましょう」というのは、円滑な運営ではありません。我々はいつだって納得が欲しいのです。

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著者プロフィール

1975年生まれの漫画家・コラムニスト。大阪府出身。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にてデビュー。現在は『週刊アサヒ芸能』(徳間書店)等に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。元よしもと芸人。著書・共著は『みんなの あるあるプロ野球』(講談社)、『野球大喜利 ザ・グレート』(徳間書店)、『ベイスたん』(KADOKAWA)など。

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