ドライバーの中島一貴&小林可夢偉に聞く ル・マン24時間レースに臨む心境は!?

田口浩次
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提供:トヨタ自動車

中島一貴と小林可夢偉がル・マン24時間レースに臨むドライバーの心境や行動について答えてくれた 【田口浩次】

 ル・マン24時間レース、メカニックやエンジニアは40時間以上寝ることができない過酷な環境であることはわかった。では、ドライバーはどうか? ル・マンウィークに向けたドライバーの心境や行動について中嶋一貴と小林可夢偉に聞いてみた。

レース前は思い思いの行動に

 まずはル・マン開催の前の週にあるテストデーから、土曜日に再合流するまでの数日間の休みはどこで何をしているのかを聞いたところ、中嶋の場合はここ数年同じパターンで過ごしていると言う。

「僕の場合、テストデーの後は、大体ロンドンに行ってますね。向こうに友人がいるんです。今年は2日間だけですね。車でゆっくりロンドンに行きました。飛行機だと時間が縛られてしまうので、何も決めずに、とりあえずロンドンに向かったという感じですね。どうにでも対応できるようにって思いまして」

 そして小林はモナコの自宅でトレーニングしていたと言う。

「僕はモナコに帰ってました。まじめにトレーニングしてましたよ。イビサ島(スペイン)に行ってると思っていたんですか? 失礼だなあ。僕は仕事と遊びのオンオフはしっかりするタイプなんです。イビサにはル・マン24時間レースの後に、まずフィンランドにサウナに行って、その後イビサ島に行く予定です(笑)」

仲の良いトヨタのドライバー勢

コースチェックの日にトヨタのドライバー6人で撮影した1枚。「仕上がりは良かったですよね」と中島も満足げ 【写真提供:中島一貴】

 公開車検2日目の月曜日、トヨタドライバーの6人が、コースチェックに自転車で向かった際、Motoライダーの真似をしてコーナリングする写真を撮影し、中嶋のブログや、それぞれのドライバーのツイッターなどで紹介されていた。

 あれは誰がやろうと言い出したのかと聞くと、「あれはアンソニー(・デビッドソン)ですね。みんなツイッターやSNSをやっているので、ネタ作りというか、みんなやりたがるんですよ。僕はそれを使わせてもらう感じですね。カメラマン役はいつもアレックス(・ウルツ)なんです。写真を撮るのがけっこう好きで、うまいんです、アレックスは。あと、いつも誰となく、そうした写真を撮りたがりますね。今回は、最初アンソニーがひとりでMotoライダーを撮影しようとしていて、なんか結果的に6人でやることになった……だったと思います。バンクの角度とか意外と仕上がり良かったですよね?(笑)」と、中島がドライバー同士の仲の良さを教えてくれた。

中島&小林、レース中も睡眠取る

ル・マン24時間レース中に中島が仮眠を取る休憩ルーム 【写真提供:中島一貴】

 次にル・マン24時間レース中は仮眠を取るのか、また、ル・マンに限らず、レースのことを考えて眠れなくなる日はあるのかを聞いた。特に中嶋は、ル・マンの公開車検のトークショーで、司会に「このところ、何をするにもル・マンのことばかりを考えるんじゃないですか?」と聞かれていたので、トークショーの延長のような質問になった。

「そうですね、レースのことを考えて眠れなくなる……ということはないですね。携帯をいじっていたりして寝れなくなることとは良くあるんですが(笑)。いや、単純に夜寝るのが遅いというべきですかね。あと、ル・マンのレース中は僕は仮眠を取る派です。というか、眠ければ眠るタイプなんです。今回もちゃんと睡眠は取るつもりです。見ます? 僕の休憩ルーム」と、休憩部屋を撮影した写真を見せてくれた。

 一方、小林は眠れなくなるタイプだそうだ。「まあ、普段のレースではなく、24時間レースのレース中なんですけどね。レース展開が気になってしまうんですよ。僕らのドライバーズルームはテレビがないので、スマートフォンでWECの公式アプリでライブタイミングを追いかけていますね。で、気がついたら寝る時間がなくなっているんです。でも、今年のレースは寝る気まんまんですよ。寝るために必要なものを考えて、いろいろそろえてきました」

勝負のポイントは24時間すべて

 レース中の勝負どころと、夜間走行が難しいかについて聞いてみると、これは2人とも答えが同じだった。

「24時間レースで、どこが大事なポイントかと聞かれても、すべてなので、ポイントというのはないですね。強いて言えば、ライバルとバトルしている最中くらいでしょうか。結局、どこでタイムをロスしてしまうか、いつ展開が変化するかは、誰にもわからないですから。常に同じスタンスでないといけないと思います。日本人は黒目だから夜のドライビングが不利かという話ですか? どうなんでしょう。それは僕に聞かれてもわからないですし、実際のところ、そんな違いはないと思いますけどね。あと、ライトもありますし、逆に言えば、ライトが点いていても見えにくいコーナーは気をつけないといけないですし。ル・マンで言えば、例えばユノディエールの最初のシケインですね。あそこの右コーナーへの進入はライトが当たりにくいので縁石が見えにくいです」(中嶋)

「そうですね。ある種自分との戦いですね。どれだけ冷静でいられるか。勝負どころってのは、なくて、遅いマシンを抜くのに時間が掛かってしまえばロスするわけですから、どこまでリスクを取って、タイムをロスしないようマネージメントするか。そこには勝負どころという時間帯はないですよね。昼間の走行と夜間走行では、気をつけるべきタイミングに多少違いがあるくらいです」(小林)。

 トヨタの育成ドライバーとして、F1まで上り詰めた2人が、いまだ成しえていない日本車による日本人総合優勝へ挑戦する。レースは終盤にかかってきたが、その夢の実現の可能性はだんだん大きくなってきている。
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