全国大学野球選手権決勝の見どころは!? 初Vかけて中京学院大と中央学院大が激突

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 中京学院大(東海地区大学野球連盟)と中央学院大(千葉県大学野球連盟)による春の大学日本一を決める第65回全日本大学野球選手権決勝が12日、13時から神宮球場で行われる。

初出場ながら決勝まで勝ち進んだ中京学院大 【写真は共同】

中央学院大は7回目の出場で初めて決勝に駒を進めた 【写真は共同】

吉川中心にしぶとい打が光る中京学院大

プロ注目の走攻守3拍子そろったショート吉川。ここまで17打数7安打と好調をキープしている 【写真は共同】

 ドラフト1位候補として話題のショート吉川尚輝擁する中京学院大。初戦の日本文理大(九州地区大学野球連盟・北部代表)戦では、その吉川が先制タイムリーを放つと、先発・柳川優太が被安打7、失点ゼロに抑えて初出場で初勝利(2対0)を手に入れた。2回戦は桐蔭横浜大(神奈川野球連盟)のドラフト候補左腕・高橋拓巳から3点を奪って競り勝った(3対2)。準々決勝は優勝候補の一角である亜大(東都大学野球連盟)相手に投打がかみ合い、5対1と快勝。準決勝の奈良学園大(近畿学生野球連盟)戦は2点ビハインドの9回2死満塁から4番・石坂友貴の逆転タイムリーなどで3点を取って逆転勝ちした。

 投の中心は、181センチの大型左腕・柳川。140キロ前後の速球とスライダー、カーブを低めに集める丁寧なピッチングが光る。打線は一発こそないものの、しぶといバッティングで少ないチャンスをものにしてきた。4試合連続安打で17打数7安打と打撃好調の吉川は「逆方向への打席を意識して結果が出ている。決勝もチームの勝利に貢献できるようにがんばって、その結果個人の成績につなげられればいい」と意気込む。「エンジョイベースボール」をチームのモットーに、近藤正監督が「大学生は大人なので伸び伸びやらせます」という指導方針の下、勢いに乗った中京学院大が全国の頂点に駆け上がるか!?

中京学院大・成績

181センチの大型左腕・柳川。ストレート、変化球を低めに集める丁寧な投球が身上 【写真は共同】

・チーム打率 2割7分9厘
・チーム本塁打 1本
・チーム盗塁 5盗塁
・主要打者成績
山崎善隆 13打数6安打0本塁打5打点・4割6分2厘
吉川尚輝 17打数7安打0本塁打2打点・4割1分2厘
石坂友貴 17打数4安打0本塁打3打点・2割3分5厘

・チーム防御率 1.50
・主要投手成績
柳川優太 24.1回20安打19奪三振9四死球・自責点2

手堅さと投手力が厚い中央学院大

勝負強いバッティングで5打点を挙げている志岐。4番ながら送りバントもきっちりと決める 【写真は共同】

 6年ぶり7回目の出場で初の決勝まで勝ち上がってきた中央学院大。初戦の第一工大(九州地区大学野球連盟・南部代表)戦は石井聖太が毎回の14三振を奪って完封勝利(2対0)を挙げた。2回戦は共栄大(東京新大学野球連盟)に6対1と快勝。準々決勝の東海大北海道(札幌学生野球連盟)では、先発・石井が右ひじの違和感から1イニングで降板するも、小串一愛、臼井浩の継投で相手打線を1点に抑えると、7回に押し出し2つで勝ち越し、8回に代打・椿大の本塁打で突き放した(4対1)。準決勝は上武大(関甲新学生野球連盟)打線を田辺樹大、臼井の継投で1点に抑えると、打っては11長短打で5点を挙げた。

 現在の4年生は1年春のリーグ戦で2部落ちを経験している。菅原悦郎監督は「1球の怖さ、1勝の重みを体感している世代」と4年生の集中力を評価する。投手陣は4試合で失点わずか3。石井はケガで登板が絶望的だが、左腕・田辺、右腕・臼井と計算できる投手が2枚いるのは心強い。この2投手の持ち味を存分に発揮させているのが、強気と冷静さを併せ持ったリードをする正捕手・長井涼。菅原監督も「鉄壁のリードをしてくれる。彼がいなければここまで来られなかった」と全幅の信頼を寄せる。攻撃では「バントは最大の攻撃」と4番にもバントで送らせるなど、手堅い攻めが身上。決勝も「送るべきところは送るなど、きっちりと身の丈にあった野球をしたい」と“平常心”で臨む。

中央学院大・成績

リーグ戦で4勝を挙げた田辺。全日本大学選手権では準決勝で初登板となったが7回1失点と仕事を果たした 【写真は共同】

・チーム打率 2割9分1厘
・チーム本塁打 1本
・チーム盗塁 4盗塁
・主要打者成績
成田昌駿 14打数7安打0本塁打1打点・5割
志岐晴太郎 14打数6安打0本塁打5打点・4割2分9厘

・チーム防御率 1.50
・主要投手成績
臼井浩 15回8安打14奪三振2四死球2失点
田辺樹大 7回3安打7奪三振1四死球1失点

勢いでは中京学院大か!?

 勢いでは中京学院大に分があるか。準決勝で相対した奈良学園大・鈴木佳祐投手は「中京学院大打線は粘り強くて集中したときの連打はすさまじいものがあった」と振り返る。ここまで先制タイムリーを2本打っている吉川、勝負強い石坂、山崎の主軸を中央学院大バッテリーがどう封じるか。中でも球場の雰囲気を変える存在感を持つ吉川を捕手・長井がどのようなリードで攻めるのか注目したい。

 中央学院大は4試合で9犠打としっかりと送って得点につなげてきた。先発が予想される中京学院大の左腕・柳川も力で圧倒するタイプではないため、走者が出たときにいかに得点圏に進められるか。特に1回戦では7番ながらも準々決勝から4番に座り、5打点を挙げた勝負強い志岐の前に走者をためたい。

 地方リーグに所属し、決してネームバリューが高いチームとは言えない両校。2016年春、全国の頂点に立つのは!?
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