【新日本プロレス】挑戦者として臨むオカダ・カズチカ “IWGPの価値”下落を「僕が止める」

スポーツナビ

6.19大阪城ホール大会で、再びチャレンジャーとしてIWGPヘビー級王座に挑戦するオカダ・カズチカ 【横田修平】

 新日本プロレスのビッグマッチ「DOMINION 6.19 in OSAKA-JO HALL」(大阪・大阪城ホール)が近づいてきた。同大会ではIWGPヘビー級、IWGPインターコンチネンタル、NEVER無差別級の3大王座戦などが行われる。

 4月10日の「INVASION ATTACK」(東京・両国国技館)で悲願のIWGPヘビーを戴冠した内藤哲也。しかし、その“制御不能”な戦いぶりに疑問符が付けられており、続く5月の「レスリングどんたく」(福岡国際センター)でも、石井智宏の挑戦を退けたものの、傍若無人な王者の態度を変えることはなかった。これに対し、前王者のオカダ・カズチカが挑戦を表明。再び2人が相見えることになった。

 大阪城ホールでの決戦を前にしたオカダに、現在の心境などを聞いてみた。

内藤は「IWGP王者初心者」

前哨戦では内藤にすかされてきたオカダ。大阪城では1対1の真っ向勝負を望む 【横田修平】

――間もなく大阪城ホール大会を迎えます。チャレンジャーとして迎える大会は、前回の大阪城ホール大会(15年7月5日)以来ですよね?

 そうですね。同じシチュエーションになりましたね。前哨戦はやってきましたが、しっかり内藤さんに絡めていないというか。「よし行こう」というときに、すかされてしまうというか……。「トランキーロ」状態です。

――オカダ選手は1対1の真っ向勝負を望んでいると?

 やっぱりIWGPというのもあるし、IWGPだからこそ、乱入もなしでしっかり試合をしたいというのはあります。今の内藤さんともしっかりシングルでやってみたいというのはありますね。

――オカダ選手としては、IWGP王者としての内藤選手に疑問がある?

 そうですね。まあ、IWGPチャンピオン初心者だなと(笑)。

――内藤選手とは前のシリーズから戦い続けていますが、それでも真っ向勝負は一度もなかった。やはりそこは「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」以前の内藤選手とは違う?

 違いますね。でも皮肉なもので、やっぱり今の方がお客さんがついてきているし。よく分からないです。

――ファンの方の支持に関して、オカダ選手も気になる?

 全然気にはならないですよ。

――ファンの支持は内藤選手の発言によるところがあります。

 ただそこは「新日本プロレスワールド」などで見ていて、コメントを聞く分にはなんか違うなと思っています。「いつまでCHAOSとやるの?」とか。「何回やるの?」とか。それはチャンピオンだから戦っていくのが使命だと思うし、「いつまでCHAOSとやるの?」って、そりゃ他から出てこないんだから、当たり前だろうと。

――あと内藤選手の発言の中で、オカダ選手に「変化」を求める言葉もあります。これに対しては?

 変わる必要がないですよね。内藤さんとは違って、変わらなくてもいろいろ実績を残してきていますし、僕が変わる必要はないと思います。それで僕が内藤さんに勝てなかったら、変わらなきゃいけないかもしれないですけど、僕はこのままで築いてきましたから、このままでいきたいなと思います。

――内藤選手のコメントは、オカダ選手というより、木谷高明オーナーや新日本プロレスへ向けての批判のようにも見えます。

 まあ、別に、内藤さんが、そうやってオーナーに熱くなってしまうのはしょうがないんじゃないかなと思います。正直、僕の方が優遇されていると思いますし(笑)。
 それはしょうがないことだと思うんです。野球だってホームランを打つ人の方が、優遇されるし、いいお金をもらえるのは当たり前。それこそ20勝した投手のほうがいいお金をもらえて、優遇されるのは当たり前じゃないですか?

 新日本プロレスでいろいろなことをした人が優遇されるのは、当たり前で、それに対して文句を言うのは間違っていると思いますし、だったらそうされるぐらいのレスラーになればいいじゃんと思います。

 内藤さんがまあ、どれだけ木谷オーナーの話をしても、僕には関係ないことですから。僕はまあ、木谷オーナーの手下でも何でもないので。僕は別に木谷オーナー抜きで、オカダ・カズチカ対内藤哲也の戦いをお客さんに見せたいと思います。

IWGPの価値が落ちないように

内藤がベルトを持つことでIWGP王座戦らしくない戦いが続く。オカダはその状況に終止符を打ちたい 【横田修平】

――さて先程、内藤選手を「IWGPチャンピオン初心者」とお話されましたが、やはりIWGPの価値という部分は意識されていますか?

 していますよ。伝統を意識しているわけでないですが、やっぱりプロレス界で1番のベルトの戦いがあれでいいのかというのはあります。だからもう、戦い方もそうですし、発言もそうです。チャンピオンの発言が、どれだけ世間に響くかどうかというのを、まだ内藤さんは分かっていないと思うし、それだけ重い言葉なんだよというのを分かってもらいたいです。

 初めてプロレスを見た人が、これが(プロレス界で)1番のベルトだよと言われたときに、あんな乱入があって勝ちましたって、これでいいの?という人はいると思います。だからやっぱりそういうのを僕はなくしたいです。内藤さんも僕の発言を聞いて、だったらやってやるよと、なってくれたらもっといいですね。

――そういう部分で内藤選手は初心者で未熟だと?

 そうですね。それこそ、新日本プロレスを大好きだった頃の内藤さんが、今のチャンピオンの内藤哲也を見て、どう思うのかなと思いますね。

――大阪城での戦いに焦点を当てると、確実にメンバーの介入はあると予想していますか?

 予想はしていますね。ただ対策のしようができないぐらい、ロス・インゴベルナブレスのコンビネーションがすごくて、別に僕は介入にびびっているわけでもないですし、入ってきたら入ってきたで、この前もEVILとBUSHIを蹴散らしましたし。

 ただ、やっぱり僕はIWGPのベルトは、しっかり介入なしでやりたいという思いはあります。ビビッているわけではないです。プロレスってすげぇんだなと誰が見ても強い、誰が見てもオカダは強いんだという試合を、それも大阪城ホールですからね、見せたいです。

――IWGPらしくない戦いは今回の大阪城で決着をつけたいと?

 そうですね。IWGPはそういうベルトじゃダメだと思いますし、そうなるとどんどん価値も下がっていくと思いますので、そうならないように僕が止めたいと思います。

大阪城ホールにカネの雨を降らせる

オカダは再びIWGPのベルトを腰に巻き、大阪城にカネの雨を降らせることができるか!? 【横田修平】

――さて大阪城大会が終わると、いよいよG1も近づいてきます。やはりG1には王者として臨みたいですか?

 そうですね。まあ、チャンピオンの時は優勝できなくて、チャンピオンでない時は、優勝できているんですけど(笑)。でもやっぱりチャンピオンでいくG1はみんなに狙われている感じもありますし、楽しみですね。

――G1では王者として、王者らしい戦いを見せたいと?

 G1は全国を回れる大会ですから、そこでやっぱりオカダがチャンピオンだと。G1だから会場に足を運ぶというファンの方も多いので、そういう人たちに向けて、今のチャンピオンはこんなに強えんだと思わせたいです。そう考えると、(今回の大阪城は)負けるわけにはいかないですよね。

――それでは最後になりますが、改めて大阪城ホール大会に向けての意気込みをお願いします。

 去年も21年ぶりの大阪城ホールで挑戦者として勝って、すごい気持ちよかったですから、「DOMINION」は毎回楽しませてもらっています。
 今年も同じ挑戦者という立場になってしまいましたが、しっかり勝って、大阪城ホールを盛り上げられるのは僕しかいないんじゃないかなと思いますし、現時点での「大阪城ホール男」と言ったらオカダしかいないので、しっかり勝ちます。そしてロス・インゴベルナブレス・ファンには悪いですけど、大阪城ホールにカネの雨を降らせたいと思います。

(取材・文:尾柴広紀/スポーツナビ)
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