【新日本プロレス】永田流“ストロングスタイル”の意味 その本質を柴田勝頼との戦いで見せる

スポーツナビ

6.19大阪城ホール大会でNEVER無差別級王座を懸けて柴田勝頼と対戦する永田裕志 【スポーツナビ】

 新日本プロレスのビッグマッチ「DOMINION 6.19 in OSAKA-JO HALL」(大阪・大阪城ホール)が近づいてきた。同大会ではIWGPヘビー級、IWGPインターコンチネンタル、NEVER無差別級の3大シングル王座戦などが行われる。

 5月3日の「レスリングどんたく」(福岡国際センター)で、NEVER王座初戴冠となった永田裕志は、柴田勝頼とのリマッチで、再び雌雄を決する。

 今回は大一番を控えた永田に、挑戦者・柴田について、NEVER王座について、そして今後の目標について聞いてみた。

今の柴田は「懐が深くなった」

柴田に対しては「懐が深くなった」という印象を持つ 【横田修平】

――6月19日の大阪城ホール大会で柴田勝頼選手とのリマッチに臨みます。現在のコンディションはどうですか?

 コンディションはいい状態ですね。ただシリーズ最初から柴田選手と戦っていましたので、やっぱり日々、彼は当たりが強いので、結構ダメージはたまりました。前回の時もそうだったのですが、前哨戦の時から、前哨戦らしからぬ戦いと言いますか、手探りではないですから。

――前哨戦を戦ってきて、今の柴田選手の戦いはどんな印象ですか?

 彼は昔からそうですけど、一本気というか、ファイトスタイルは変わらないです。ただその中で、いろいろな戦いを積んでチャンピオンになり、レスラーとしては懐が深くなったというか。やはり、攻め一辺倒から、相手を受け止める余裕が出てきましたし、受け止めながらさらに攻撃を加える。エグく行くところは変わっていないですけどね。

――年を重ねてきたことで、一発一発の重さがあったりしますか?

 重さと言うよりも、一つ一つの技の切れ味がするどくなっていると思いますね。蹴りもそうですし、絞め技も。スリーパーからのPKに行くまでの動き。一見、変わっていないように見えて、受けてみると鋭いですよ。過去よりも鋭くなっていますね。そういう部分は進化していると言った方がいいんじゃないかなと思います。

――そんな柴田選手との戦いの中では、どんな戦いを見せたいですか?

 柴田との戦いというのは、僕らが新日本をかつて支えてきた時代の戦いに通ずるものがあります。今は新しいチャンピオンや選手が出てきて、どんどん新しいプロレスというか、メイン戦線でいろいろなテイストが加わったスタイルが行われています。彼らはそこで進化や変化を見せていますが、僕らは僕らで新日本の一番いいところを掘り起こすプロレスをやっていると。
(かつての新日本のプロレスというのは)何が大切かと言うと、相手に対する意識なんですよね。柴田は柴田で僕をぶち壊して、壁を叩き壊してその上を乗り越えていきたいと思っているわけで、それをストレートな感情でリング上で出せる。それが元々あった新日本プロレスのプロレスと言いますか、これが“ストロングスタイル”なのかなと。

“ストロングスタイル”とは何かと言ったら、相手に対する意識というか、「お前より強いんだぞ、お前よりすごいんだぞ」という、競争意識のぶつかり合い。僕は長年“ストロングスタイル”を問い詰めてきた結果が、この結論というか、そういうものを得ました。

 そういう意識が、リング上でお互いにぶつかりあえるプロレス。それが柴田との対決でできるかなと思いますね。

改めてテーマを掲げる意味

今回は“ストロングスタイル”というテーマを掲げる永田。それを見せ付けるには、柴田はふさわしい相手だと話す 【横田修平】

――IWGPやICの選手権で見せているプロレスは新しいスタイルになる中で、福岡で見せたNEVER王座の戦いは、過去から通ずる“ストロングスタイル”に近かったと?

 それこそ一時期、新日本プロレスが“脱アントニオ猪木”を掲げ、猪木さんからの脱皮の如く、猪木さんを“ストロングスタイル”と定義付けて、そこからの脱皮を棚橋らがぶち上げました。ただ僕は「猪木さん=ストロングスタイル」というか、猪木さんから脱皮することが“ストロングスタイル”からの脱皮とは、ちょっと違うとずーっと思っていたんですよ。

――永田選手としては、新日本プロレスの中で培ってきた“ストロングスタイル”というものを改めて掘り起こして洗練させたいと?

 そうですね。今の現場や若い選手とか、今の世の中に対する問いかけと言いますか、それをしてみたいと思います。「新日本の源流はこういうものなんだぜ」と。それを僕らが守っていた時代もあったわけですから、それを見せ付けてきた自負もありますので。

 それでも今は、脱アントニオ猪木から(ストロングスタイルが)なくなっているわけではないですけど、見えずらくなっているので、ここでテーマとして掲げるのもいいのかなと。やっぱりファンの反応が良かったですからね。そこでやっぱり、いつの時代も良いものは良いんだなと。そう僕は思いました。

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